えーと、僕がこれについていくのは何回目なんでしょうか。 え?4回目? そうでしたか…。
「なんかさー、いちごもお金かかるようになって」 「これってけっこう厳しいよね」 「アンタ、あれに行って楽しい?」
…。 この言葉の流れからすると、僕に来るなと言っているのだろうか。
「え?いやあ、そんなことは言ってないよ」 「でも、なんでアンタ来ることになったのかなあ、と」 「単なる疑問よ」
んー。 そういえば、僕はなんで毎年これに参加しているんだろう。 でも、いまさらやめるのもなんだか気持ち悪いんですよ。
「はーん、やっぱりそうか」 「習慣になってるんだね」 「アンタって1度決めると踏襲するのが好きなんだよね」
余計なお世話ですよ。 さあ、さっさと出発ですよ。
予想通り、朝は妻がもたもたして、玄関出てから戻ったりするので、 乗りたかったバスには乗れなかった。
しかし、いつも迷って買えない弁当はやたら早く買い終わった。 持っていた弁当の袋に、「なだ万」の文字…。 しかもケーキまで買っている。 「ドゥリエール」のシフォンケーキ…。
「なんか新幹線に乗る前に1万円くらい使っちゃったね〜」
電車賃云々が笑わせる。
気を取り直して車内へ。 席についた途端に、
「お腹すいたー、のどかわいたー」
いや、発車してからにしなさい。 ものごとにはけじめと言うものが…。 あっ。こらなんで開けてるんだ。
「だって5分くらいの違いじゃないの」 「早く食べたいもーん。ねー」
けじめとは無縁な女達…。
そんなこんなで早々とお弁当が終わってしまえば今度は退屈がやってくる。
「まだつかないのおー」 「もうおりたいー」
上のムスメはともかく、下のムスメはどうしてこうじっとしていられないのか。 ボックスになった4人がけの席をうろうろもじょもじょ移動する。 ああ、疲れが…。
ムスメの退屈と僕の疲れが限界になるころ新大阪に到着。
何度も来ているので、乗り換えもスムーズ。 ちょうどチェックインの時刻に到着だ。 その後は毎年同じ。 奥様連中はしゃべくってほとんど動かず。
なぜか3倍くらいに増えているムスメ達は、僕にあっちに連れていけ、こっちに連れていけという。
でも、今年はいつもの年よりずっと楽だった。 みんな歩くし、歩かないのはとっても軽いし、 何より子供だけで遊ぶ時間が長い。 担当じゃないはずの男子2人を連れていった風呂がちょっと修業みたいだったけど、 ビールいっぱい飲んで、奥様連中とは別の棟でゆっくりした。 子供たちもなかなか寝つかれないようではあったが、僕は早めに寝た。
おおー、いいじゃないか。 と、思ったのもつかの間、なぜか下のムスメが 「コワイ夢見た〜」 と泣きながら子供たちの部屋から出てきて僕のベッドへ。 なぜか上のムスメも「眠れない〜」と言って妻が寝るはずのベッドへ。
明け方帰ってきた妻に、 「アンタが日ごろ甘やかすからあたしのベッドが狭い!」 とか言いがかりをつけられて、ちっともゆっくり寝られなかった…。
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