最終日だ。 今日はとてもいい天気だ。 続けて早寝したのがきいたのか、体調もだいぶ戻った。
「さーすーが。仕事がだーい好きだから、月曜日には万全の体調ね」 「自己管理だもんね」
くっ。嫌みなやつだ。
まあ、さらりと流して。 今日は混まないうちに帰るぞ。 ささ、みんな急いで支度して。
「えっ。もう帰るの。まだ9時だよ」
こういう時間に出れば渋滞にあわずにすむんだ。 だいたいいつもアナタがぐずぐず買い物したりするから 帰りは時間がかかった揚げ句に渋滞につかまるじゃないですか。
今出ておけば買い物魔神が目を覚ましても、渋滞にあわずにすむでしょう。
「むー。じゃあ、どっかによってくれるね?」 「こないだみたいに一目散に帰らないね?」
いや、こないだはチェーンもなかったし、 雪をしのぐために遅く出たからあせってたんですよ。 今日は早めだから少しくらいはよってあげてもいいですよ。
「やったー、じゃ、早くいこー」 「明日誕生日だし、なんか買ってくれるよね?ね?」
うっ。そうだった。 忘れてた。 あ、でも一昨日も昨日もごちそうだったじゃないですか。 これがプレゼントということで。 なんて言って通じる相手じゃないな。 ま、いいでしょう。 何も用意してないしな。 後々ぐずぐず言われるのもいやだし。
ところが。 出たのが早すぎて店はほとんど開いてなかった。 開いていたのは饅頭屋とか道の駅とか、 妻に言わせれば「べたな」土産屋だけだった。
「このうらみは忘れないからね」 「明日は誕生日なんだからね」 「なんとかしてもらうからね」
渋滞にはあわなかったが、妻の恨み言を延々聞かされながら帰ってきたのだった。
風邪がぶり返しました…
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