何でも帳。


同じ星を一緒に観る事が出来たのなら



カット



2002年12月17日(火) ぷち話。

<Letter>



 ティアラへ

この手紙がお前に届くかどうかさえ判らないけれど…元気、か?

どうしても伝えたい事があって、行商人にこの手紙を託した。
あの戦いの後、お前はグレッグミンスターからいなくなった、とは風の噂で聞いた。
それからお前の噂はどこからも聞こえてこなくて。
……『俺を探してくれている』と思ってしまうのは俺の自惚れだろうか?
単にあの地に留まる事を厭っていただけなのかも知れないけれど。

お前を逃がした後、俺は随分と長い時間、怪我の治療で名も無い様な地の小さな医院で世話になっている。
一時は瀕死状態だったらしいが、今は大分良くなっているから心配はいらない。

それよりも。

それよりも……あの時は、悪かった。
無理強いにお前を逃がした事。
リーダーが生き残ってこその勝利なのだから、俺があの時した事は、言った事は後悔していない。
けれども『ティアラ』には辛かっただろうから。
だから…ごめん。

最終戦争の前夜に俺がお前に言った事は嘘じゃない。
今でも尚、俺の気持ちは一つも変わってなんかいない。
いや、一層思いは、募っている。
杯から溢れる位の、思い。

心から会いたい、と思う。
そして返事、を貰いたいと思う。
だから。

だから、どうか生き延びていてくれ。
厭世感を持たずに生きていてくれ。

手紙なんてモノ、書き慣れていないから随分と脈絡がなかったり、判り難い文章もあると思う。
でも、それは再び会えた時にちゃんと説明するから。

怪我が治ったら、お前を探しに行くから。
何処にいようとも探してみせるから。

その時は抱き寄せて、もう一度、あの言葉、言うから。




『……俺はお前の事、愛しているよ。ティア?』


お前の頭上に、いつでも幸せの風が吹いている様に。



           無名の地にて、フリックより。





…という訳で、ぷち話でした(笑)
実は昨夜、寝る前にうつらうつらと考えていた話だったり。
(消灯9時、ってあまりに早過ぎ〜っ!!そして起床6時半も早過ぎ〜っ!!!
…いえ、話とは全く関係ない話ですが・苦笑)

え〜っと。うちのフリ坊設定では解放軍最終戦争前夜にフリックがティアラに告白しています。
そして『返事はこの戦いが終わってからでいいから』と。
…流石、甲斐性ナシのうちの兄さん…(涙)
そして兄さんが書いた手紙がティアラの元に届いたかどうか、は考えていません。
何となく届いていない感じはしますが(苦笑)

本当に短いぷち話、でしたが少しでも気に入って頂ければとても嬉しいです。

 前。  目次  次。


藤萌 和里 [HOME]