何でも帳。


同じ星を一緒に観る事が出来たのなら



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2002年03月25日(月) お年賀話・タイトル未定・前編




   一人で出来る事なんだけど。
   でも、『一人』より『二人』でいたいと思うのは我儘?


     ………好きにしたらいいんじゃないの?
     それより君、作法、ちゃんと覚えているんだろうね?



 「……あのね。今年最後のお願い、してもいい?」

ティアラに上目使いで、小声でそうお願いされたのは年越しの騒ぎの中。
回りは無礼講とばかりの騒ぎ。新年を告げる鐘を聞く事が出来るのは一体、この中で何人いるのやら。
見上げてくるティアラの瞳が少しだけ真剣、だったから一体、どんな願い事を言われるのかと思いきや。
背伸びして俺の耳元で囁く願いは、いともたやすく叶えられる事で。
思わず微笑って答を返す。

 「……お安い御用。何もそんな深刻な表情して言わなくても良かったのに」
ぽんぽん、と頭を撫ぜてやりながらそう答えると、ティアラは嬉しい表情をしつつも小首を傾げて、ほんの少しだけ戸惑い、が見える瞳で。
 「………でも。迷惑、じゃない?外は寒いと思うし…フリック、結構飲んでるみたいだし…」
 「ばぁか。そんな潰れちまう程は飲んでいないから何ともないぞ。
  それに外が寒いんだったら後から茶でも淹れてもらって、暖めてもらえばいいんだし?」
俺の答が嬉しいかったからか、それとも言葉の裏に気付いてかは判らないけれど、とにかく顔を赤く染めたティアラの耳元に唇を寄せて。
 「じゃあ、あと一時間くらいしたら抜け出すぞ?
  それまであまり飲まされない様にしておけよ。お前、そんなに強くないんだから」
 「……ありがと」



 「やっぱり夜遅くなると寒いな……大丈夫か?ティアラ」
外は雪こそは降っていないが、寒さが厳しくて吐く息が微かに白くて。
凛、とした冷たさ。空を見上げると真夜中に近い濃紺と、ちかちかとまばゆく光る星の群れ。
横にいるティアラは普段の半袖姿ではないのだが、それでもやっぱり幾分かは寒そうに見えて。
初めて目にする白と黒の衣装。
体のラインにぴったりしているものではなく、長袖の上に布を幾重にも巻きつけているような。
ティアラはこれから何をしようとしている?今年最後のお願い事、は簡単に叶えてやれるけど。
 「ん。寒くは無いから大丈夫。フリックこそ寒くない?」
寒さからか頬を少しだけ赤くしたティアラが逆に尋ね返してくる。
 「俺は厚着してきているし、多少は酒も飲んだから寒くはないが…」
 「……そんなに時間、かからないと思うから……側に、いてね?」
不安そうな上目遣いで見上げられて、抱き締めたくなる衝動を堪える。
いつだって側にいてやりたい、と思っているのに。
いつだって側にいて欲しい、と思っているのに。
どうしてこんな事さえ、ちゃんと伝わっていないのだろう?口にしなくても伝わる思い、も確かにあるのだろうけれど…言葉にしても伝わらない事もあるのだろうが。
そんな事をぼんやりと思っていると、不意に柔らかな風が。
肌寒い外で吹いたとは思えない程の、柔らかい暖かい風。
  「……春の、風みたい………そろそろ、僕も始めないとね……」





…あえて日記にも更新記録にも書かずに、こっそりアップしてみたり(苦笑)
書きかけ、なのですが…自分に発破をかける意味もアップしました。
続き、は出来る限り早く書こうと思っています。
タイトルは書き上げてから考えます〜(汗)←タイトル決めるのすごく苦手なのです…
久し振りにルックちゃんが書けて嬉しかったです(笑)


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