コラム 金財茶房 〜 投資のゴマはこう開け!〜


2006年10月13日(金) 証券会社ラプソディー


こんにちは、カン・チュンド です。

わたしはいつも、

証券会社の人たちはお金儲けのことを
いろいろ言いますが、

銘柄を推奨する人でお金持ちになった人を
見たことがありません。

とお話しています。


(証券会社内で)
ファイナンシャルアドバイザー
ファイナンシャルコンサルタント と名乗る人たちは
果たして 悪い人たちなのでしょうか?

いいえ、
そんなことはありません。

少なくとも、

あなたのお金を減らしてやろうと思っている人は
ひとりもいないはずです。


が、
かといって、

彼 / 彼女らが 特別なソース、情報を持ち、
特別な感性で、マーケットという
複雑怪奇な 生態系 を熟知しているかといえば、

それは・・、そんなことはないのです(笑)


彼らも 人の子 です。

毎朝 通勤ラッシュに揺られ、
(証券会社の朝は早い!)

月末の支払いを気にしている人たちなのです。
(それは わたしも同じ・・笑)

何十人という【他人のお金】を預かり、
【他人】を 儲けさせるために、
銘柄の推奨 をしなければならないのは、

相当な「プレッシャー」であるはずです。


例えば、くどうさん という
FA(ファイナンシャルアドバイザー)がいるとしましょう。

くどうさんは今、
彼女の顧客に RRR会社の株 を推奨しています。

(ちなみに RRR会社の株 は、
くどうさんが持っている資産ではとうてい買えません・・)

あるいは 会社の方針 で、

くどうさん自身は苦手な
自動車部品関連の会社 VVV社 も推奨しています。


くどうさんは入社4年目で、真面目な人です。
人のために尽くしたいと考えているFA です。

しかし、【他人】を儲けさせること、
それも短期間で
はっきり分かるように儲けさせることは
相当難しいですし、

大きな「プレッシャー」であるはずです。

くどうさんは勤務中、
頭の中に もや がかかったようになることがあります。
こめかみが キリキリ痛むこともあります。

こういう状態って、どうでしょうか?
(健康的 ではないですね・・)

少なくとも、

運用に関する【重大な決定】をするのに、
「ふさわしい状況」と言えません・・。

今は 金曜日の 午後1時35分 です。

くどうさんの頭の中に、
顧客の顔や、自身の成績や 株価の数字 が
ちらつき始めます。

彼女はたった今、

◆ 神経質になった 不安な感情を【土台】に、
  売り買いの選択 をしようとしているのです。

(本当は 自身の投資スタイル のもと、
冷めた目で 選択 をしなければならないのに・・)


RRR会社の株価は 順調に上がっています。

くどうさんは先週のうちに
(ほとんどの顧客に対して)

RRR会社の 推奨 を行いました。

くどうさんの目が
RRR会社の チャート に釘付けになります。

気配値、売気配の株数、買気配の株数 をチェックして、
出来高 を確認します。

「信用取引の売残は? 買残は?」

くどうさんはマウスを動かします。
複数のサイトから RRR会社の情報を集めます。

(そうなのです、
 これからもっと RRR会社の株が上がるかどうか、
 不安なのです・・)

同時に携帯メールで
同い年である C証券会社の人に
「RRR会社、まだいけそうかな?」
とメールしてみました。

くどうさんの上司が近づいてきます。
今月のノルマの件に違いありません。

「ああー、今月中にもっと買ってもらって、
儲かった分は もっと売ってもらわないと・・」

くどうさんは上司の顔を見ないで済むように
わざと忙しいフリをしました。


携帯メールに返事が来ます。

「RRR、わたしはまだまだ好きよー」

くどうさんは少し安心します。

が しかし、
同時に 疑念 が湧き起こります。


「もしかしたらこの人、
ほんとは ダメなのに、
逆のことを教えているのでは・・???」

疑念 が膨らむと
頭の中の もや が いっそう濃くなります。

くどうさんは喉が渇いてきました。

と その時、

ワンブロック離れたデスクで、
こたに係長が小さく叫びました。

「よっしゃー。SSS社 上がりきったぞ、」

こたに係長は嬉々とした表情で
顧客に電話を掛け始めます。

「お世話になります、こたにです。
SSS社は 売却いたしましょう。もう天井です。
これだけで利益が200万近くになるはずですよ・・」

こたに係長の顔は
なんといったらよいのでしょう、

夏のはじめに日焼けした
小学生のように 紅潮しています。

「ワタシも なんとかしなきゃ・・」

くどうさんは再び、
RRR会社の 株価チャート に見入りました。

価格 がさっきより下がっています。
売気配の株数 がずいぶん増えました。

くどうさんは(本人はそれとは気付いていませんが)
なかば 衝動的 に【RRR会社を売りましょう・・】

という電話を、すべての顧客に掛けてしまったのです。

< わたしが描写した、このあたりの攻防は
映画「ウォール街」を観ていただければよく分かります・・>
 

午後2時45分、
RRR会社の株価が、再び上げに転じました。

くどうさんはぼんやり
灰色のビジネスフォンを眺めています。

彼女の顧客から電話がかかってくるからです。

「どうしてあんなに慌てて
RRR会社の株売りましょう なんて言ったんだ・・」


なにも
騙そうと思って勧めたわけではないのに・・。

くどうさんはふと、
大学時代の友人と
イタリアンに行く約束を思い出しました。

「今日は金曜日なんだ・・」


くどうさん自身、
RRR会社の株式を持っているわけではありません。

くどうさんの顧客が、
RRR会社を好きなわけでもありません。

じゃあ、いったい何のために・・。


半径20メートルの【物差し】で 投資を行っていると、
ほんとうに大切なことが 見えなくなってしまうのです・・。



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