嗚呼!米国駐在員。
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2006年07月10日(月) |
タイガーよりも人気のあるプロゴルファー |
世界一のプロゴルファーといえば、タイガーウッズである事は誰もが認めることであろう。
豪快なスイングやバランスの取れた身体(最近は明らかに太ってきたが)、そしてタイガーチャージと呼ばれる最終日の猛烈なバーディラッシュは、世界中のファンを引きつける。年収は100億円ともいわれ、名実共に世界一のアスリートである。
ところが、アメリカではタイガー以上ともいわれる人気を誇るプロゴルファーがいる。フィル・ミケルソン。無冠の帝王と言われたが、2004年のマスターズ以来、既にメジャー3冠。
タイガーとフィルのプレーを見る機会に恵まれたのだが、ファンが唯一近づくことの出来るコース間の移動の際、フィルに対しては周りのみんなが暖かい声援を送る。声援はどれも親しみを込めたものだ。
「フィル! 俺も同じレフティなんだ。」
「フィル! さっきのボギーは忘れろ!次頑張ればいいさ。」
そして、どんなに不調でもファンの声援を無視しないミケルソン。グリーン上の大声援の中、パットを終えてボールを取り上げる際に帽子のひさしに手をやって声援に応える姿は独特である。ラウンド後も、20分間に渡ってファンにサインを続けるという。
一方のタイガーは、噂通りにファンが嫌いのようだ。 修行僧のような形相で正面を見据えて、周りの声援が一切聞こえないかのように歩いていく。どことなくファンも遠慮してしまい、声がかけづらい雰囲気がある。そして、ファンにサインしている際は笑いもせず、淡々と義務をこなしているという感じだ。まあ世界中どこに行ってもこんな調子で囲まれてしまっては、毎度の光景にうんざりしてしまうのかもしれない。
でもアメリカ人は、やはりミケルソンのようなタイプが好きなんだろう。
白人で家族思い、野球もうまいし、趣味は飛行機操縦など多彩。そして、世界ランク2位までいった実力派にも関わらず、親しみやすい雰囲気がある。熊のような図体で、とにかく飛距離がすごいが小技もうまい。ドライバーをドロー用とフェード用に2本入れたり、64度のウェッジを入れたりと、コースに合わせた創意工夫も興味深い。グリーン周りまでティーショットを運び、絶妙のロブショットでピタリとピンに寄せ、ショートパットをあっさり外してうなだれる姿はおなじみの光景。これぞアメリカンヒーロー。実際にミケルソンの笑顔を見れば、彼を知らなくてもファンになってしまう事だろう。
Kyosuke
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