嗚呼!米国駐在員。
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2005年06月20日(月) 日本人の魂

日本を離れて海外で生活していると、いろいろな出来事に直面する。

日本にいる時には感じなかった日本という国の良いことも悪いこともなんとなく見えてくるし、なんだかんだと言われながらもやっぱり良い国なんだなと実感する。

日本人という事に関していえば、日本人は自己主張しない国民なんだと思う。特に海外に出るとそう感じる。
これは、気が弱いとか自己表現が下手という事もあるのだろうけど、やっぱり日本人の遺伝子、メンタリティーなんだろう。また、周りの人の反対を振り切ってまで自己主張を貫くことへの拒否反応というのも強いのだろう。

だからヤンキースの松井秀喜のような日本人の塊のような男が、周囲の引きとめを押し切って、思い切ってメジャーに挑戦したこと、そしてアメリカで自分の生き方を変えずに大活躍している姿は、日本人として素直に感動する。現在、チームは不調、個人成績は絶不調、おまけに怪我をして愚痴の一つもいいたいはずだろうけど、何も言い訳せずに淡々と仕事をする。

松井は黙っていても仕事で全てを主張できる人間だ。

言わねば分からぬアメリカ人からは、なかなか理解してもらえないかもしれない。でも、日本人から見てのかっこよさは、松井のような人間のことを言うのだろう。全米オープンのコース設定に文句ばかり言って結果を出せない丸山茂樹とは、正反対である。

米国で生活していると、アメリカ人が自己主張するのに合わせて、負けじとなんでもかんでも自己主張する日本人に遭遇する事がある。でも、口先だけで自分を主張する事が一番ではない。主張してくる人間に同じ土俵で主張し返してもしょうがない。ましてや、子供の頃から自己主張が染み付いたアメリカ人に日本人がやりあうのは大変だ。じっと我慢して自分の態度を貫き通す。そんな美学もいいのではないかと思う。




(写真)週間MVPの松井。捻挫した右足首に負担がかからぬようスイングしてホームラン。ESPNの玄人解説者が大絶賛していた。その放送を見ていて誇りを感じた。


Kyosuke