携帯から、貴方の声。一寸掠れた、だるそうな何処となく聞きなれた声。「風邪?」そう聞いたら「うん。死んでる」そう言った。彼氏と彼女そういう言葉で括られなくなったあたし達。それでも、この感覚は何だろう。電話の第一声の一言で電話の向こうの様子を理解出来る事に少し寂しさを感じた。もっと、あたし自身に触れて欲しかった。恋とか愛とか情とか境界線を引けないあたし達。境界線の無い恋をしている。