+++ Rip Stick +++

2001年10月05日(金) 言葉と意味と感情と貴方。



「お前、こっち(東京)出て来いよ」


電話の向こうで彼が言った。
あたしの就職の話をしてた時だった。

今あたしがやろうとしてる仕事に、彼は納得していない。
というか、はっきり「やめろ」と言われた。
それは、傍で考えるよりも
遥かに厳しい労働量を求められる職種だから。
苦労するのが目に見えてる。

「お前の器量があれば、もっと他の仕事出来るだろう」

「何で態々苦労する方を選ぶんだ」

とは彼の台詞。


ってか、あたしの器量ってナンダ?

確かに辛い仕事だと思う。腰掛気分じゃ勤まらないと思う。
だからこそ、今自分で取り組んで見たいと思ってる。
もしかしたら、3日で挫折するかも知れない。
いや、初日で挫折するかも知れない。

でも、諦めるのは挫折した後だって遅くない筈。
やってみないと、判らないもの。
もしかして、意外に性に合ってるなんて事になるかも知れない。


彼は納得しない様子だったけれど
あたしが言い出したら聞かないのも判っていた所為か
それ以上は口を出さなかった。

その代わりに冒頭の台詞を口に出した。


「東京に来い」


きゅっと胸が詰まった。


ねえ、それはあなたの傍に行って良いって事?
あたしの存在を求めてくれてるって事?

彼女と切れてくれるって事?



電話を切った後、なんだか涙が出た。



嬉しいのか寂しいのかそれとも苦しいのか
何だか判らない涙だった。










あたしは貴方に恋焦がれてる。






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