今日だけ、二人が恋人に戻ったみたいだった。
大切そうに、私の髪を撫でてくれる T。
Tのそばで寝息を立てる 私。
幸せな空間。
だけど
きっと もう、リアルタイムの恋愛感情なんて無いんだ。
お互いに 体が覚えているから、染み付いているから
その心地良さを求めてしまう。受け入れるのも容易い。
ただ、それだけなのだろう。
お互い、もう相手が自分のものでない事は分かっている。
それを承知で Tと 恋人時代の再現。
すぐ出来るであろうTの未来の彼女に嫉妬しながら。
復縁するつもりのない二人が抱き合うことに
全く 躇いは無かった。
後悔もしていない。
バイバイのキスに、あたたかさがあったから。
こんな Tとの時間は、何もかも忘れられる
安らぎと癒しの 異世界。
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