今日、部屋の隅に積んであった新聞を久しぶり整理した。3ヶ月前(12月14日付)のものになるが、日本経済新聞に興味深い記事が載っていた。『子ども再発見』という連載企画で、「顔面に打球 なぜ、よけられないの」と題し、小学生の顔のケガについて書いた記事である。 要約すると、ソフトボールやバスケットボールなど体育の授業で顔面にボールを当てる生徒が増えている。フライを捕りきれないもの、ボールを避けられないもの。場面は様々ではあるが、顔のケガに繋がっているという。要因としては敏捷性よりも、眼球の動きの問題。テレビゲームのやりすぎが眼球の動きに何らかの影響を与えているのではないか、と書かれている。
先日、TBS系で放送されている『噂の東京マガジン』で眼について特集した回があった。イチローを指導したことでも有名なビジョン・トレーナーの田村知則氏が出演し、現在の子どもたちの眼についてこんなことを話していた。 「今の子どもたちは、立体的にものを見る力に欠けています。人間は敵から身を守るために、敵が遠くにいるのか近くにいるのか、距離感を捉えることが最も大事なはずです。けれども、今はテレビゲームのせいで、平面の世界ばかりを見るようになってしまい、立体視の能力がなくなってきている。昔の子どもは、山を駆け回ったり、川原で遊んだりと、自然の中で遊んでいくうちに、立体視は養われていたのですが」 私の知り合いにサッカークラブのコーチをしている方がいる。その方も眼について、面白い話をしていた。 「小学生を教えているが、試合での失点の大半はディフェンスがボールの目測を誤ってしまうこと。落下してくるボールの位置を予測できない子どもが、最近になって増えている気がする」
日経新聞は、「テレビゲームが眼球の動きに影響を与えている要因と言い切れる自信はないが、小さい頃からテレビゲームに夢中で、外で遊ばずキャッチボールもしたことのない子どもたちが増えていることは確かである」と記事を締めくくっていた。 02年度から、公立の小中学校は現在の隔週週休2日から完全週休2日に変わる。テレビゲームをする時間、塾へ行く時間が今よりも増える。フライの目測を誤る子どもが、更に増える気がする。
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