2007年01月25日(木) |
The Departed |
何よりも誰よりも、ジャック=ニコルソン! さすがです。傍若無人が似合う似合う。観ててなんて満足できる役者さんなんでしょう。 マフィアのボスだなんて、ハマり役なんだよねー。
いやまあ、ディカプリオも良かったですよ。髭が(そこか)あと、短髪(そこだよ) 元々演技には定評のある人だし、確かにうまいよねー。まあ、動きはあまりない。 初っ端で、唇舐めてるシーンがいちばん好きかも。ぺろりといった瞬間の表情が(また微妙な)
その背中合わせのように逆っかわにいるコリンを演ってたマット=デイモンも好きです。 彼はボーン・アイデンティティみたいなアクションばりばりで一本筋の通った芯のある人間よりも、リプリーでストーカーしてたり、オーシャンで子供扱いされてたり、今回みたいに嘘つきで裏切り者って役が非常に似合うと私は個人的に思っているので、大変楽しく観ていられたんですが。 きっとコリンは小心者だろうと思う。自分がいちばん可愛いから保身に走る。そんな卑怯で矮小なコリンくんを演じるデイモンが好きです(別に彼がそうだと言ってるわけじゃない)
大概は面白い映画でした。 インファナル・アフェア自体が面白いって聞いてたし。私は観てないけど。これ、韓国映画だと最初は勘違いしてたんだよねえ。韓国もので面白いと思ったものに当たった例がない私なので忌避しちゃったい。
大半面白かったんだけど、終わり方だけは納得いかないなあ。
不満その1 何も二人とも殺さなくてもよかったんじゃないのか。 最後の方でバタバタバタっと殺していっちゃったよねえ。不自然なほどにすっきりと関係者を消していくから落ち着かない。死んだ瞬間、「え?それでいいの?」とちょっと思った。コリンくらい生かしておけば次への伏線みたいな感じで余韻をもたせて終わらせられたと思うんだけど。だいたい、三部作だったものを一度で終わらせようとする辺りに無理があるんだろうよ。脚本は良かったよ、ちゃんと面白いと思いながら観てたもの。中ダレもしなかったし。なのに最後だけはなあ。
不満その2 コスティガン(ディカプリオね)が女医さんに渡した封筒の中身は何だったのか。自分に何かあったときに見てくれと言ってコスティガンが今回のヒロイン女医さんに渡した茶封筒。結局女医さんがその封筒を開いたシーンはないし、コスティガンが封筒に何か入れるシーンもない。何が入っていたのか言及はされていないんだよねえ。その封筒はまるで無かったかのように触れられずに終わるもの。
不満その3 コスティガンからコリンへ送られた、コステロ(ニコルソン)とコリンの会話の音声データを、コリンがシャワー中に無断で開けて聞いた女医さんが、何故あの音声だけでコリンを「嘘つき」と断定できたのか。そこまでの内容はなかったと思うんだけど。まあ、映画で流されていた分以上に女医が聞いていたんだっていうんなら話は別だけど。でも、女医は今回の事件のあらましを聞いていないはずだよねえ?コリンもコスティガンも一応は警察官だし、関係者以外に事件の情報は洩らさない。コスティガンは女医に迷惑をかけるまいと何も語らないだろうし、コリンの場合は教えられるはずもなかったし。コステロ絡みの事件の警察の発表があったかどうかも疑わしい上に、もし発表されていたとしても覆面警官を潜り込ませていたなんてそんな具体的なことは覆面警官の身の安全のために言わないと思うし、だったら女医が事件の細かいところまで知っている筈がない。だから、データを耳にした女医があそこまで衝撃を受けてコリンを拒否する理由がよくわからないというかなんというか。映画で使われなかったところにその手の場面があったとかじゃないよね。その辺の繋がりが悪いと感じた。実際、あの女医の心理もよくわからないし。コリンを選んでいたくせにコスティガンも捨てられないってあなた、単なる優柔不断。
不満その4 ディグナムがコリンを待ち伏せて撃ったのはどういう理由からなのか。コリンがマフィア側のネズミだったと知ったからなのか。それならば一体誰から聞いたのか。もしくは自分で突き止めたのか、それならばいったいどうやって? 或いは、コリンが裏切り者だとは知らず、クイーナン警部が死んだ逆恨みでコリンを狙った? どちらにしろあまり納得できない。
この不満、全部終わりも終わり、クライマックス過ぎ去って映画に収拾つけようってところだよな。畳み掛けるように不満が募った。だから終わり方が気に入らないんだけど。
ああ、コステロのしぶとく生き汚い死に方は素敵でした。ちょっとロビン・フッドのときのアラン=リックマンを思い出したけれど、彼ほどはしぶとくはなかったかな。
結論。 でかいコスティガンの遺影の笑顔が微妙でした。
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