キャストの豪華さと内容のくだらなさに惹かれて、見なければと思った。
とにかく映画はキム兄の顔から始まる。まずキム兄の顔。
まあ、くだらないですね。話的には。ほんっとくだらないんだけど、いい俳優陣が脇を固めて物凄いい味出しててなんともいえん。
古田新太さんがさー、もう出てきた瞬間その場の空気を独り占めって感じで、溜まりません。岡田が固くした空気を(生真面目な役どころだしね)満遍なく柔らかくしてくれて、どこにも角がないっていうか、どう表現したらいいかわかんないけど、あの方は本当にいい役者さんだよなー。
主人公の父の敵討ちが本筋で、その裏っかわで赤穂浪士の吉良討ちが進んでいくんだけど。 まさか忠臣蔵があんなに情けないものになるなんて(笑)。特に思い入れもないけど、よくテレビでやってたしねえ。主君への美しい忠誠心がさあ。確かに、引退した老人の寝込みを襲った話だよなあ。
観てから結構時間経っちゃってるから細部憶えてないんだけど。 脇役陣がよかったっていうのと、脇がよかったんだけど、主人公の岡田を殺さず、うまく活かして撮ってあるなあと。 岡田もね、芯がしっかりしてたから周りに食われず、ちゃんと武士やってましたよ。町人の中に埋まってて、随分くだけてるんだけど、やっぱり独りだけ浮いてるんだよね。武士は浪人になってても武士だよねえ。ただ、お隣さんは武士だけど情けなくて、同じ武士同士の比較っていうか。
ああ、これは気になったから異様に覚えてる。 ふでおろしって言葉、どこの世界まで通じるんでしょうか? 私は必死に笑いを堪えていたんですが、周囲の人は気付いているのかただ知らないだけなのか。どこをどう聞いても下ネタなのに、恐ろしいほど静まり返った中、響くのはご年配の男性型の笑い声だけ。 筆って隠語ですよ。男性の象徴ですよ。ラングドン教授(ダ・ヴィンチ・コード)的に言えば剣の先ですよ(そういえば一作目の「天使と悪魔」も映画化するとかしないとか) 取り敢えず同世代にはふでおろしもひめはじめも通じないのかも。友人に聞いたら全く聞いたことがない何それと答えが返ってまいりました…そうか…。
スクリーンを出て行きしな、ご年配の男性お二方が、「金がかかってるのかかかってないのか、わからん舞台だったなあ」とつぶやいていたのが印象的。まあ、確かにな。何せボロ長屋。
結論 やっぱキム兄かな。
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