加藤のメモ的日記
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2017年03月14日(火) サムスンショック

トップが逮捕「サムスンショック」で泣く会社、笑う会社

実質トップに君臨していた季在鐘(イジェヨン)・サムスン電子副会長が贈賄などの疑いで逮捕されたことで、韓国最大の財閥サムスングループの経営が足元から揺らぎ始めた。元サムスン電子常務の吉川良三氏は言う。

「今回の副会長の逮捕劇は、朴槿恵(パククネ)大統領をめぐる疑惑から発展し世論が財閥批判を強めていることが背景。今後、朴大統領の弾劾となれば4〜5月に大統領選が行われ、次期大統領が野党候補になると、サムスンには厳しい局面となる。過去には大統領が強い権限を持って財閥を解体したこともあるからです」

サムスングループ全体で韓国一国のGDPの2割を稼ぐ巨大財閥。仮にその財閥にメスが入れられれば、「これまでサムスンが得意としてきた、スマホをはじめとするモノづくりの分野から撤退せざるを得ないというシナリオも現実味を帯びてくる」(証券アナリスト)当然、これまでサムスンと取引してきた日本企業も「対岸の火事」とは言っていられなくなる。

「サムスンがスマホ事業から撤退するようなことになれば、真っ先に影響を受けるのはサムスンにに部品を供給している日本メーカーです。村田製作所、TDK、太陽誘電、アルプス電気、日本電産の5大部品メーカーは大打撃必死で、画像センサーを供給していたソニーへの影響も避けられない。彼らは供給先の『中国シフト』を急ぐ必要が出てくる」(産業タイムズ社長の泉谷渉氏)

一方、これまでライバルとしてサムスンとしのぎを削ってきた企業にとっては、思わぬ「敵失」。「例えば、いま原発問題で頭を抱えている東芝には好機。半導体事業でサムスンと闘っているが、このサムスンショックに乗じて性能、コスト面でサムスンを凌駕する可能性がある」(前出・泉谷氏)ほかにも、「サムスンが世界的シェアを持つ液晶パネル事業ではジャパンディスプレイやシャープが、複写機事業ではキャノンがシェアを奪い返すチャンスとなる」(前出・アナリスト)サムスンショックで、企業の明暗がくっきり分かれそうだ。


『週刊現代』3.14


加藤  |MAIL