加藤のメモ的日記
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2015年07月27日(月) NHK 国営放送の危険 � �

籾井(もみい)勝人氏のNHK会長就任から一年。権力監視にほど遠い発言に批判が高まっている。公共放送NHKはどうあるべきか。元NHKディレクターの戸崎さんに寄稿してもらった。

昨年からNHKは危機的状況だと言われてきたが、その危機はよく指摘されるように二つの事実から明らかである。一つは、言うまでもなく籾井会著の存在である。2月5日の定例記者会見で籾井会長は、慰安婦問題の番組制作について、「正式に政府のスタンスがよくまだ見えない。慎重に考えなければならない」などと述べ、批判が集中した。

最近でも2月18日、民主党の総務部門会議に出席した際、侵略と植民地支配について謝罪した村山談話について問われ、「今のところはいいと想います」などと述べ、「今のところは」とした理由を「政権が変わって、村山談話はもういらないというかもしない」と説明した。

放送内容も歴史認識も政府の主張に沿って考えるという人物が、いまなお会長にとどまり続ける異常な状態である。会長の罷免と求める署名は現在、72.000筆をこえ、NHK 退職者による罷免申し入れも賛同者が2000人に達した。もう一つの危機的な事実は、NHKの歩道姿勢が政府公報的な傾向を強めていることである。集団的自衛権行使容認の閣議決定に至る報道で「ニュースウオッチ9」は、首相補佐官や自公の政治家など推進側の政治家3人をマナ出演させたのに対して、市民の反対運動、批判する発言はほとんど取り上げなかった。昨年3月、山口県上関原発推進建設反対、鹿児島県川内原発再稼働反対の地元での大規模な市民集会も、地域のメディアがそろって報じたのにNHKは報道せず批判を浴びた。

昨年末の総選挙報道でも、他のテレビ局が、選挙の争点と関連させて貧困格差の実態などをドキュメントで伝えたのに対し、NHKニュースではそのような報道は皆無だった。

幹部の圧力か

政府の主義主張は、国民に大きく影響するので、それらを伝える報道自体はありうることである。しかし、首相や政府の主張の報道量が増える一方、政府批判につながる社会の実態や、反対運動の報道が長期にわたって抑制されるとすれば、NHKは国民の間に政府を批判せず、支持する空気をつくる役割を果たすことになる。こうした傾向の背景に何があるのか。NHK内部からの声を聞く限り、筆者は政権寄りの報道局政治部あるいは。政治部出身の幹部の圧力を疑っている。


『週刊朝日』2015 3.15


加藤  |MAIL