加藤のメモ的日記
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2015年06月30日(火) 寝たきりの分岐点 ��

そんなことに陥らないためにも、判断を誤ってしまいがちな「寝たきりの分岐点」を紹介しておこう。千葉県在住の片桐直子さん(仮名・75歳)は、3年前に洗濯機を買い換えた。「長年使っていた二槽式の洗濯機の調子が悪くなったので息子に相談したら『今は乾燥まで全自動でやってくれる洗濯機があるから』と教えてもらったんです。これはいいことを聞いたと、買ってもらって取り付けたんですが、使い方がよくわからない。ボタンを押すだけといっても、洗濯物の量や種類でコースも変わるから難しい。息子が、使い方を紙に書いて貼ってくれたのですが、それを読むのも面倒で……。結局、ぼとん土使っていません」前の洗濯機は捨ててしまったので、自分で手洗いするしかない。次第におっくうになり、洗濯以外の家事も以前のようにはやらなくなった。今では、昼間でも布団の上で過ごすことが増えているという。

片桐さんの場合、最新家電に買い替えたことが引き金となった。本人も息子さんも、まさか、そんなことがきっかけで寝たきりになるとは、思いもよらなかったはずだ。ケアマネージャーサービス『ぽけっと』の代表を務める上田浩美氏が言う。

「全自動の食器洗い機や、人の動きを察知して便座のふたが開くトイレなど、手間を省ける高機能の電化製品がたくさん出ていますが、高齢の方にとって便利だとは限りません。自動で沸く風呂の使い方がわかなくてお風呂に入らなくなった。家事が怖いからガスコンロをIH(電磁調理器)にしたら火加減が調節できなくて料理しなくなった。などという高齢者は多い。次第に身体を動かすことが減っていき、寝たきりになってしまいます。新しいものに追いつけず、混乱してしまうのです。もし購入するなら、元気な60代農地から使って慣れておくべきです」

躓いて骨折でもしたら……と不安になって、自宅をバリアフリーにリフォームしようと考える人も考える人も多いだろう。だが、それも注意が必要だ。生活リハビリアドバイザーの金田由美子氏が解説する。「車椅子になった人はバリアフリーのほうが生活しやすいですが、自分の脚で歩ける人の場合、必要とは限りません。バリアフリーにすると、脚を上げて歩くことがほとんどできなくなります。それによって、脚力は非常に衰えてしまうのです。たとえば2階に自分の部屋がある人は、部屋に戻るために必ず階段を上がらなくてはいけない。転倒のリスクはありますが、多少の困難な動作を入れることで、生活そのものがトレーニングになるのです」

同様に、寝具を布団にするか、ベッドにするかという選択が、寝たきりにつながることもある。「父親が、80歳に近づいた頃から夜中に煩雑にトイレに起きるようになったので、立ち上がりやすいように布団からベッドに替えたんです。それがきっかけか、足腰が弱くなって、最近ではあまり外へ出歩くことがなくなってしまいました」(神奈川県県在住・主婦)

布団に慣れている人がベッドに替えることで寝たきりになることもある。「布団の上げ下ろしをしなくなることで体力が衰えるということが一つ。もう一つは、ベッドに変わったことを忘れて、ベッドの上で立ち上がって歩き出して転落事故につながってしまうことです。ずっと布団で寝ていた人で、すでに認知症が出ているなら、布団のままの方がいいでしょう。認知症でなければ、布団から立ち上がることが難しくなったときが、ベッドに買い替えるタイミングといえます」(前出・金田氏)



『週刊現代』2.28


加藤  |MAIL