加藤のメモ的日記
DiaryINDEX|past|will


2014年10月31日(金) 朝日新聞の「慰安婦問題を考える」を検証する ��

慰安婦報道がどのように日韓関係を歪め、日本の立場を貶めたのか。朝日新聞の慰安婦報道の2日間の特集は、その部分に関する検証が欠落している。日韓関係悪化の原因はもちろん朝日新聞だけでなく、慰安婦支援団体や韓国側の動きにもあった。だが、朝日新聞の一連の報道は慰安婦支援団体に勢いを与え、運動を正当化させた。そうした点を検証しないのはおかしいのではないか。点検であって検証ではなかったといえる。

吉田清次氏の証言を虚偽として取り消し、挺身隊と慰安婦の混同を誤用と認めたのはよいことだとは思う。だが、吉田証言は本来、吉田氏にデータ提供や面会を拒まれた段階で新聞社として明確に疑問を呈すべきだった。挺身隊と慰安婦の混同についても、当時は戦時中を知る人たちが大勢いたのだから、そうした人たちに聞けばよかった。「参考資料にも混同がみられた」と説明するが、それでは記者はいったい何をしていたのか。

結局、「騙された」「騙したほうが悪い」とすべて他人のせいにしている。それでは相手の言うことを鵜呑みにして記事を書いているのか、ということになる。かえって読者の信用を落とすのではないか。のちに「元慰安婦が強制連行ではなくキーセンに売られた」という話が出たのなら本人に確認して報じればよい。取材の基本動作をしてこなかったことを自ら明かしてしまったに等しい。ある意味では衝撃を受けた。

産経新聞など他紙も吉田証言を取り上げたり、挺身隊と慰安婦の混同があったことも指摘しているが、「他の人も同じことをやりました」というのは、報道の世界では通用しない。自分たちが日本の報道を引っ張っているという自負心があるならば「他紙はどうだ」とは書けないはずだ。「朝日新聞にそういう自負心や誇りはもうないんだな」と感じてしまう。

一般商業紙は政党機関紙とは違う。裏付けもしていない記事が新聞に出ているんだと、読者に誤解させたことは業界全体にとっても大きなマイナスだ。朝日新聞だけでなく新聞という媒体の価値を貶めることにもつながってしまったのではないか。


元朝日新聞ソウル特派員 前川恵司


『産経新聞』


加藤  |MAIL