加藤のメモ的日記
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2014年08月09日(土) 「反日」の真実  ��

日本にとって再び悩ましい夏がやってきた。戦後69年もたって、いまだ中韓で喧しい(かまびす)歴史問題。

■中国が中台一体化の道筋として描いているのは「まずは経済から」という方法です。そこで2010年に中台間のECFA(両岸経済協力枠組み協定)が締結されたのに引き続き、今度はサービス分野に関する中台の自由化を進めようと思ったら、中国に対する警戒感から台湾中が大騒ぎになってしまった。経済的な融合も簡単には進みそうもない。

○中国は今、クリミアの事例を熱心に研究しているはずです。ウクライナの一部だったクリミアで住民投票をしたら「ロシアに編入してほしい」という意見が多数を占めた。そこでロシアはクリミアを編入し、アメリカらもEUも反対はしたけれど、武力介入はしませんでした。台湾の人々が「中国への復帰」を表明すれば、なおさらアメリカの軍事介入は難しい。これが最も理想的な道筋です。中国はそのシナリオを一生懸命考えているはずです。

中国共産党は崖っぷち

■一方、中国国内に目を向けてみると、金看板だった経済成長に明らかに陰りが見え始め、習近平政権は非常に厳しい現実に対処せざるを得なくなってきています。実は習近平が国家主席に就いてから中国には4つの大変化がありました。一つは、以前は集団指導体制だったのに、完全な習金平ワントップ体制になったこと。二つ目は、前例のない反腐敗闘争を展開していることです。三つ目は、昨年11月の共産党の重要会議「三中全会」で打ち出した大きな改革案です。経済政策だけでなく、地方政治から司法権を取り上げる改革案も含まれています。そして四つ目が、事実上の戒厳令とも言えるほどの厳しい言論弾圧。四つの変化は、いずれも中国共産党が八方塞になり、体制は存続の崖っぷちにあるという危機感を抱いたことが原因です。経済の成長も見込めない、社会問題は山積するばかりでは、国民から見放されてしまいます。

○改革開放を掲げて社会主義市場経済を進めてきた手法が賞味期限を越えつつあるのは間違いありません。そこで中国共産党は、一刻も早く次のビジョンを示さなければならない。おそらくそれは、共産党でありながら共産党の政策の根本の部分を捨てることになるはずです。捨てに共産党のアイデンティティの7割ぐらいは捨てていますが、残りも捨てないといけなくなるでしょう。

■共産党内で上から下へ指導する単線型ガバナンスの仕組みが社会の進歩についていけてません

○共産党の統治のポイントは、「党が国家を指導する」ところにあります。実は中国共産党の幹部教育機関では、連邦制や多党制を含むあらゆる政治的オプションについて、10年以上前から研究を進めています。党が国家を指導するのでない政治体制のオプションも、彼らは選択肢にしているという。習近平が本当に国のことを思うのであれば、共産党より中国を選ぶのでなければならない。
さらに言えば、そのきっかけとして台湾問題が使われる可能性があると私は見ています。台湾に一定の政治的独立を認めつつ、中国に復帰させる。台湾が戻れば、中国国民は熱狂する。一国二制度は、事実上の連邦制なのです。中国共産党引き続き存続するにしても、国家が第一で党はその次という原則を明確にすれば、未来に展望が開けるから国民の不満も収まるはずです。
ネックとなるのは、中国共産党の過去の成功体験が強すぎること。そして党の幹部が失う利権が多すぎることでしょう。でもこの改革をやり遂げないと、習近平は単なる凡庸な指導者として、歴史の舞台から消えていくでしょう。
一方日本は首脳会談を開くこと自体は目的ではないのでジタバタしなくてもいいと思います。阿部首相が習金平と会えなくたって別に何の問題もないでしょう。

■習金平から、見ても阿部首相との会談はリスクがある割にメリットが不確かです。首脳会談の後、阿部首相に再び靖国参拝されたりしたら習金平は大打撃です。他方、会談に応じたら阿部首相の対中批判がやむか。阿部首相は中国の強硬姿勢に変化が見えない限り批判を続けるでしょう。日中双方は首脳会談より互いにメリットのある閣僚会談などを積極的に進めればいいと思います。北京アジア太平洋経済協力会議では、首脳会談外にもいくつもの閣僚会談がありますし。

○軍事的には「中国が強硬に出れば日本が引くだろう」と誤解を与えて軍事的冒険主義に出る誘惑を中国に抱かせないことが重要です。そのためには、日本も即応する体制があるぞ、と示さなければなりません。これが結果的に、不要な軍事衝突を回避することにつながります。

■リーマンショックででかい経済が一気にしぼんだとき、唯一中国だけが4兆元(約58兆円)の緊急財政支出で劇的な経済回復を果たした。この明暗の好対照で、中国は自信過剰になり、日本も中国の力を過大に評価し、恐れました。でもそれは多分に幻想でした。すでに中国も日本も互いの勘違いを修正する段階に入っていますが、修正が済むまでは日中関係は不安定さが続くでしょう。その間、偶発的事態を予防する双方の努力が必要です。


■津上としや 経済産業省北東アジア課長を経て独立 

○橋爪大三郎 東工大名誉教授



『週刊現代』8.9


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