加藤のメモ的日記
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2014年02月06日(木) 暴走する国家  恐慌化する世界��

今回の恐慌には従来の経済学理論は通用しない お金の動きと流れだけで富が生まれるという妄想

佐藤 ところで原理的なことを教えて頂きたいのですが、「恐慌はどうして起る」と福島さんは見られていますか。

副島 なるほど、ぐさりと単刀直入でいい質問ですね。これは経済学の理論の根底のところにある問題です。なぜ恐慌が起きるのかは、ノーベル賞受賞クラスの経済学者たちでもわからない。彼らでも今の事態を予想したかというとできていません。なぜ信用崩壊(銀行業の停止、金融市場の機能不全)が起きるのか。大学の経済学部では教えられないはずです。経済学史や景気循環論という経済学の獣道(けものみち)で教えることになっています。
ちなみに政治学の獣道が地政学です。法学の獣道は民法709条の不法行為です。
今回のアメリカ発の金融恐慌は、やはり「ペーパーマネーへの過剰な依存」が原因だと思います。、エネーにも広義のマネーや狭義のマネーなどいろいろありますが、お金の動きと流れだけで富を生むと考えた人々の妄想が、今回の大惨事を引き起こしました。それが、金融工学であり、デリバティブという幻想の契約の山(束)です。そこで強欲な金融ユダヤ人たちが互いに手数料を抜き合った。利益を出すために、勝手に一本3000億円(30億ドル)とかの契約を何千本も作った。それを健全な利益行動だと自分たちだけで信じ込んだのです。紙きれ経済学が威張って実物経済を圧迫してしまった。ですから、今回のニューヨーク発の金融恐慌は、従来のインフレ(過熱経済)かデフレ(大不況)なの理論的枠組みそのもが成り立たないところで起きています。
一言でいえば、お札(紙幣)と国債(国家借金証書)が溢れかえるかたちの恐慌に突入したのです。信用貨幣(クレジット・マネー)という抗生物質の飲み過ぎで効かなくなった体と同じです。病気治療自体が病気を作り出している新型の恐慌です。従来型の実体・実物経済の分析を行なっている経済学理論は一切通用しません。

佐藤 私はまさにそこのところを聞きたかったのです。要するに実物経済のところからの恐慌理論で一番優れているのは、やはりマルクス経済学の宇野理論だと思います。宇野弘蔵理論は、恐慌というのは、好況期になって資本が過剰になってくるなかで賃金が上がる、他のものは資本の理論でつくれるが労働力だけはつくれない。賃金が上がると結局、つくっても儲からない、こういう状況になって、ズトンと恐慌がくる、という考え方です。

副島 ああそうですか。宇野三段階理論ではそのように説明するのですか。だから19世紀までのヨーロッパでは、10年ごとに恐慌が起きました。それを「カール・マルクスの波」といいます。マルクスが発見したからです。19世紀までは10年ごとの恐慌はアメリカや日本にもありました。「ジュグラーの波」ともいいますが、アメリカの経済学者グズネッツは「20年の波」と考えました。今はあれこれ国家が介入して経済政策をやるので予測できなくなった。本当はソ連の経済学者、コンドラチェフの「長期波動」で動いています。コンドラチェフが発見した景気変動の波が「40〜60年」周忌で動くことをジョセフ・シュムベーターが認めました。私は「60〜70年の波」で捉えています。これは大きな歴史の波でもあります。東アジアでは十干十二支(じゅっかんじゅうにし)の還暦という60年周期で、この2倍の120年が「世界覇権サイクル」という帝国の興亡の歴史サイクルです。
わかりやすくいうと、国債という国家の借金証書と通貨(マネー)というお札の刷りすぎが原因です複雑な虚構の金融商品の山をつくってしまった。これら全てが暴落する。これが原因です。実体のないゲーム理論の理屈に乗った巨大なマネーをつくってしまったからです。この化けの皮が剥がれてすべてが暴落していくのです。私は何冊もこのテーマの本を書きました。なぜこれほどの金融恐慌が襲い来るのかは、経済学者たちにもわからないでしょう。彼らがつくっている経済学という枠組みそのもが叩き壊されつつあるのだと解説しました。



『暴走する国家 恐慌化する世界』 副島隆彦×佐藤優


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