加藤のメモ的日記
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2013年11月02日(土) 夢の薬は本当にあった

不治の病と言われた病が、たった一つの薬を飲むだけで「完治」する時代がやって来る。数年前の薬の常識は今や非常識。特効薬の最新事情。知っているだけで人生が変わるかもしれません。

「現在では、薬で進行を止めることしかできないアルツハイマー病ですが、今、根本治療を可能にする新薬の開発が世界中で進められています。近い将来、アルツハイマー病を『治る病気』にするため、いま研究を進めているのです」こう語るのは、同志社大学神経疾患研究センター教授の杉本氏だ。日本で生まれた世界初の認知症薬「アリセプト」の開発者としても知られる。

杉本氏が開発したアリセプトを含め、現在日本では、約4種類の薬がアルツハイマー薬として承認されているが、残念ながらその効果はまだ「進行を遅らせる」という段階。認知症の一種であるアルツハイマーは、徐々に物忘れが悪化していき、過去の思い出や家族の顔さえもわからなくなってしまう。いまだに恐ろしい不治の病である。

だが、アリセプトの承認から14年が経過したいま、ついに根治治療薬、「特効薬」が開発されようとしているのだ。アルツハイマーの原因としては、現在では大きく分けて2つの説が考えられている。簡単に言うと、一つはアミロイドというタンパク質が大脳皮質や海馬に集積することが原因という「βアミロイド仮説」。もう一つは、脳内あるタウというタンパク質がリン酸化されタタウタンパク質が蓄積したものなのですが、これが毒性を示すことで神経細胞が死滅する。それによって物忘れなどを引き起こされるのです。

ならば、そのリン酸化されたタウの凝集を阻害するものを作れば、神経細胞の死滅を回避できる。これができればアルツハイマー病の治療が可能になると考えています」(杉本氏)現在、このタウ説に基づく新薬開発は、かなり進歩している。欧米で開発されているTRX0237は、すでに臨床試験に入っており、最終段階のフェーズ�鷸邯海卜廚狃猗�をしている。

杉本氏らのチームも負けてはいない。「我々も、すでに新薬となり得る物質の研究は進めており、早ければ2015年のはじめには臨床試験を開始します。少しでも早く患者さんのもとに薬を届けたいと思っていますが、目標は2020年の東京オリンピック。それまでに試験を終え、その後、新薬開発に持って行くつもりです」2人に1人がかかり、日本人の死因のトップであるガン。万能の特効薬は生まれにくいとはいえ、近年は分子標的薬の進歩がめざましく、特効薬と言っても過言ではない薬が次々と開発されている。「ガン細胞に特異な分子を目がけて攻撃するため、副作用も少なく効果が高い。慢性骨髄性白血病もグリペック、肺ガンにザーコリなど、様々な薬が出てきており、劇的に聞き、寛解も望めます」(北海道大学大学院西原医師)

いま注目を集めているが「スタチン」だ。これは東京農工大学特別栄誉教授の遠藤氏が1973年に発見し、コレステロールを低下させる作用があるとして約3000万人が服用しているとも言われる「世界一有名な薬」の一つ。まれに副作用が出るケースもあるが、これがコレステロールの低下以外に、炎症を抑える効果によってアルツハイマー病やガン、心臓病の予防にもなるということが明らかになってきたという。まさに万能薬。アメリカでは最近「魔法の弾丸」とも称されている。おなじみの薬が、後の研究によって特効薬として見直されることもあるのだ。

近年、患者数が増加しており、治療が難しいとされていた目の病気に加齢性黄斑変成ある。難病にも指定されており、完治が難しいとされていたが、最近の新薬によって劇的な治療効果が上がっている。慶応大学医学部眼科教授の坪田氏が言う。「これまではレーザー照射で治療するしかありませんでしたが、VEGF阻害薬という新薬が出て、かなりの症状の改善ができるようになりました。また、目の薬ではケトン体という物質が配合された点眼薬が、目を若返らせドライアイなどにも効果があるとして研究が進んでいます」

医療の世界は日進月歩。新たな治療薬の開発は今日も絶え間なく進んでいる。さらに注目すべきは、この秋の国会で薬事法の改正が審議されていることだ。「これまでは、基礎研究から新薬の承認と審査に20年近くかかっていたものが、効果があると認められたものに限り、条件・期限付きで認可できるようになる予定です。これにより、海外の研究開発を待っていたような薬でも、日本で申請した方が早く実現する可能性も出てくる。国内の研究者のモチベーションも上がるでしょう。日本が、新薬開発で世界最先端国となる日がくるかもしれません」(森本医師)



『週刊現代』11.2


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