加藤のメモ的日記
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12兆円もの血税を使う「公益法人」の通信簿
◆入省一年目のキャリアがOBを養う公益法人の実態 ◆天下りは、公務員制度のガンのようなもの ◆過去の天下りの規制策はザル法だった ◆公務員に求められる素養や能力が変わった ◆外郭団体はまるで官公庁の植民地 ◆「特定非営利活動促進法」という歪んだ法律 ◆「事業仕分け」の偽らざる成果とは
今必要な、公務員制度改革と外郭団体の改革
これまで、天下りは事あるごとに問題となりながらも、誰もその全体像を把握できていなかった。まさに、そこは官僚組織という魔物に守られた聖域であり続けたのだ。自民党政権下で、一見、さまざまな規制策が採られてきたのだが、その実効はあまり上がっていない。
そこで民主党は、政権奪取にさきがけ、国勢調査の下調査と位置付けられる「予備的調査」という手法を用いて、天下りの実態調査を衆議院の事務局に命じ、2009年11月19日に調査結果を得ることができた。それは、『国家公務員の再就職に関する予備的調査』と題された報告書である。再就職とあるが、これはすなわち天下りのことだ。
この報告書には、中央官庁(国会、会計検査院、人事院、最高裁事務総局を含む)ごとに、特殊法人、独立行政法人、認可法人、公益法人、指定法人、特定営利企業等における国家公務員の再就職状況に関する事項が盛り込まれている。それぞれ何人の国家公務員が天下っているのか、そのうち取締役相当役職員は何人か、また政府からの金銭交付はいくらか、そのうち契約によるものはいくらで、補助金はいくらか、などである。
それでもなお、この調査報告書は、中央省庁関連に限ったとしても、その全貌を明らかにするものではない。しかし、今までにない規模の調査であることは間違いなく、天下りの実態を把握するには貴重な資料となっている。この情報は、民主党のホームページなどで閲覧できるようになってはいるものの、これまで決して広くアピールされることはなかった。さまざまなメディアで情報ほ一部は伝わっているようだが、第2部ではその情報を事細かく記した。
民主党の同志であり、官僚組織に詳しい後藤祐一衆議院議員、福島信享衆議院議員、玉本衆議院議員にも取材した。加えて、これまでに拙書において取材や編集にご協力いただいた株式会社エフの赤白氏にも加わっていただいて討論を重ねた。一人称で書かれているが、本書はそれをまとめたものだ。
討論の内容は、なぜ天下りがなくならいのか、なくすためには抜本的な公務員制度改革を行なうべきなのか。また、それが入口の対策であるとするならば、出口となる公益法人をはじめとする省庁関連団体の、外郭団体の改革はどのように行なうべきなのかということについいてである。私は、日本新党の職員であった時代から今日まで、日本におけるNPO(非営利組織)の活性化、さらに、行政セクター、営利企業セクターと並んで社会の三権分立をなすべきNPOセクターの拡充を目指して、その法制化などに取り組んできた。
1980年に「特定非営利活動促進法」が施行されたが、実はこの法律は時の政権与党であった自民党と官僚組織の激しい抵抗にあって。理想にはほど遠い、出来の悪い法律になってしまったのだ。その後、2008年12月1日に改正民法が施工され、法務省が「新非営利法人制度」と呼ぶ「一般社団法人に関する法律」が施工され、「公益は国家独占」としてきた悪名高き民法34条は過去のものとなった。
その法律のもとに、官僚がその設立許可の権限を振りかざして長年にわたり、役所のあたかも植民地であるかのように最たる天下り先である公益法人をつくり続けてきたのだ。それらの法人は200年から5年以内に新制度に移行することが求められるが、このままでは、植民地が植民地のまま衣替えをするにすぎなくなってしまう。
公務員という入口と、公益法人をはじめとする外郭団体という出口を結ぶ者は、天下りという人の流れであり、あらかじめ相手を特定する随意契約や補助金という名目の夥しいお金の流れだ。そしてそこには強固な癒着が生まれ、実を結ばない活動が展開され、ただひたすらに税金の無駄遣いが横行している。官公庁は、天下り先を確保するために、補助金や業務委託費などを活用して、天下り先法人に競争入札ではなく、随意契約で高額の業務委託や工事等の契約を行なう。あるいは補助金を交付する。
最近では、さまざまな批判を受けて、昔に比べれば随意契約は減り、競争入札が増えているというが、それでも、随意契約や補助金の比率は高い。しかも競争入札にしても、公正なものではなく偽装競争契約なるものが横行しているという。その手口は、入札公告の期間を極端に短くする、契約内容を曖昧にするなどして入札法人を少なくしたり、あるいは過去の実績などを持ちだして、新規の参入者を締め出すなどである。独立行政法人の場合、一般競争入札であるにもかかわらず、一者応札というケースが、実に50%近いという会計検査院の報告もあるほどだ。
こうした状況をなんとしても止めなければならない。まずはその実態を把握し、こうした官僚組織と民法がつくり出してきた”官製土壌”とでもいうべきあれた大地を耕し、力強い、健全な非営利組織(NPO)が生まれ、育ち、息づくようにしなければならない。これは急務だ。そのための第一歩として、礎として、私は本書をしたためた。
『天下りの真実』 市村浩一郎
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