加藤のメモ的日記
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2013年03月27日(水) 病気と闘うな医者と闘え��

深刻な病気は発見できない

普通、私たちは自覚症状が出てから病院に行く。つまり、病気でなければ、病院と医者を必要としない。ところが、健康診断や人間ドッグを受診するということは、健康なのに病院へ行く行為である。これが、何を意味するかはもはや言うまでもないだろう。医者と病院にとっては、健康な人が来てくれるのだから、これほどありがたいことはないのだ。日本医師会は、健康診断について、次のように説明している。

「生活習慣病はますます若年化し、高校生で症状の出る人も増えてきました。20代で脂肪肝、肝機能障害、糖尿病になる人も少なくありません。その主な原因は過食と運動不足です。症状が出てからでは手遅れなのが生活習慣病の恐ろしいところです。定期的に健康診断を受けましょう」はっきり言って、この説明には無理がある。そもそも健康診断や人間ドッグで見つかる病気は、一般的に高血圧や胆のうポリープ、脂肪肝、肝血管腫、腎膿胞などに限られ、本当はそれほど深刻な病気とはいえないからだ。しかし、それを言ってしまえば、健康診断や人間ドッグを受ける人はぐっと減ってしまう。だから、こうして日本医師会は、訴え続けているのである。

私はよく友人知人から、健康診断や人間ドッグの検査結果について相談を受ける。そうした相談のうち、ここ数年目立ってきたのが胆のうポリープと肝血管腫である。「いやあ、なんの自覚症状もないのに胆のうにポリープがあると診断されたんだが、どうすればいいか」といわれると、私はほとんどの場合、「ほっとけ」と答えるしかない。そうしたポリープは、発見されなければそのままその人の生活に何の影響も与えないからだ。

胆のうポリープも胆石も、人間ドッグで発見されなかったら、一生知らないで過ごしたサイレント・ストーン(無症状結石)であることが少なくない。実際のところ、生存中に何の症状がなくても、死亡後に解剖してみるとサイレント・ストーンがあったという例は、5〜10%もある。では、なぜ、現代医学はこんな罪つくりの診断をするのかというと、この両者とも超音波診断(エコー)が、人間ドッグに導入された結果なのである。超音波診断は、当初は脳の腫瘍や乳腺の診断、体内の異物の存在のチェックなどに使われ、その後の技術の進歩であらゆる臓器の診断に利用されるようになった。

患者には苦痛がほとんどないし検査時間も短いので、ついには人間ドッグにも導入されるようになったものである。しかし、これは医者側の勝手な都合であって診断される側には大したメリットはもたらさない。もちろん、肝ガン、すい臓ガン、乳ガンなどのガンの発見には役立つ。しかし、ガンの発見によってガンからの生存率が上がったなどのデータはどこにもないのである。

ガン検診でガンを発見してもムダ

人間ドッグと同じく、ガン検診と呼ばれるものの、現代のやり方ではほとんど効果がない。というのは、これまで信じられてきた「ガンは早期に発見すれば何とかなる」という考えが、過渡期を迎えたからである。ズバリ言ってしまうと、早期ガンといってもそれが進行ガンになって致命傷になるがどうかはわからないからである。以前はガンといったら、手術で全部取るのが一番いいと思われていたのに、最近は手術をあまりやらなくなっている。

また、進行ガンにしても、いくら治療してもそれがムダなことはわかり切っており、切ったり、抗ガン剤をやればやるほど死期を早めるだけのことである。私の知人の医者もそのことを了解していたので、、一切何もやらず2年半の余命を得た。抗がん剤を売っていたら大変だっただろうし、手術でもすれば、回復した時にガン細胞があちこち飛んでいってしまい、取り返しのつかない結果になっていただろう。また、肺ガンになった別の知人は、内科医に「これは切っても意味がないから、放射線を当てて、様子を見ていなさい」といわれてそれに従った。しかし、同じ病院の外科医には「すぐに切りなさい」と言われたそうである。このように、現代ではガンそのものに対する考え方が変化しているのだ。

これは、よく考えてみればわかるが、ガンそのものは体の老化現象といっていい。ガン細胞の遺伝子は人間ならだれでも持っているわけで、ガンの発症はその遺伝子が老化現象の中でトラブルを起こしたということなのだ。だから、抵抗してみてもあまり意味はない。かって、乳ガンといえば全部切っていたが、欧米ではそんなことはやっていなかった。日本だけで切っていたのだが、なぜそんな手術が主流だったのかは、実を言うとよくわからない。

やはり、その方が医者や病院の利益に結びついたからだろう。医者としては切らないでもいい方法があるとは、絶対口にしなかった。手術の方が儲かるからである。患者としては「乳ガンです。切らなければだめです」と言われれば、「はい、わかりました」と従うしかなかったのである。まったくひどい時代だった。患者に選びようのない、一番高価な医療のメニューを提供するのが、現代の医者と考えるしかない。現代医学は、その時代に最善と考えられる方法で、患者と対峙する。しかし、その最善は時代が進み、研究が進むと最善ではなくなることを、患者側は全く知らされないのだ。

ガン検診で被曝するアホらしさ

患者の無知をいいことに、いまだに続けられているのが日本のガン検診である。例えば肺がん検診でいまだに行なわれている廃胸部エックス線検査は、まったくのムダである。この検診で使われるエックス線フィルムは一般のエックス線フィルムの35�僉�35�僂茲蠑�さい10cm×10�僂如△海鵑幣�さいフィルムの中から、早期のガンを発見するのは至難の業である。それなのになぜという声にこたえると、医者の仕事を減らさないためである。廃胸部エックス線検査というのは、もともと結核診断として行なわれていたもので、結核がほぼ絶滅されたので仕方なく、肺ガン検診と名目を変えて、医者の既得権を守ったのだ。ところが、アメリカではエックス線撮影による被曝にも問題になり、とっくにやめてしまったのである。

現在の検査漬けの日本の医療制度下でエックス線検査が限りなく行なわれることは、患者側にとってはすごく危険なことである。被曝は、誰が受けるかで3つに分類することができる。1つは「職業被曝」といって医師や看護婦、エックス線技師が被曝する場合。2つめは「公衆被曝」でこれは一般市民や病院の事務職員など、そして3つめが患者や付き添いが被曝する「医療被曝」である。

国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告に基づく形で、日本も放射線量の限度を法律で定めているが、これによると、放射線量の限度は職業被曝の場合、1年に50m㏜(ミリシーベルト)を超えてはならず、また、公衆被曝はその50分の1の1m㏜以下が限度である。ちなみに、1回の胸部エックス線で浴びる放射線量は平均0.2mGY以下という報告がある。(mGYは線量をエネルギーとして定義する単位、msvは人体などに与える影響をあらわす単位であるが、同じと考えても問題はない)

このように医療する側には厳重な定義があるのに、なんと患者側の「医療被曝」には規定がないのである。これは限度量を設けると、あるいは治るかもしれないのにストップがかかり、患者のデメリットになるという理由からだが、逆に検査漬けを促進させてしまっているのだ。エックス線を浴び過ぎると発ガンが促進されるという研究も発表されているだけに、これは大きな問題である。ガン検診を受けてガンになる確率が高まるとしたら、笑い事では済まされないのだ。事実、日本人の「医療被曝」は、欧米に比べて高いというデータがある。日本人は一人当たり2.2m㏜で、アメリカ人は0.4m㏜、フランス人は1.6m㏜というのだ。



『病気と闘うな医者と闘え』 冨家 孝


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