加藤のメモ的日記
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| 2012年11月03日(土) |
東北除染30兆円の利権の争奪戦 |
誰でも出来る「簡単仕事」 「土を掘り返すだけ」に青天井の予算がつく
「本気でやれば30年かかる」
高濃度の放射性物質に汚染された地域の「除染」は、被災地復興には欠かせないプロジェクトである。だが、実際の作業の内容や、どれくらいの金額が注ぎ込まれているかを理解する国民は少ない。この大事業には、巨大利権が生まれ、大手ゼネコンを中心とした「争奪戦」が勃発している。
〈急募 除染作業員 誰でもできる簡単なお仕事〉インターネットの求人情報には連日、福島などでの除染作業員の募集要項にこんな文字が躍る。仕事の内容は、福島原発20�膳�内での除染作業だ。待遇は1日2万円、4時間労働で、無料宿泊施設に泊まれて労災も適用される。それにしても実に軽い文句の募集である。そもそも「除染」とはどのような作業をするのか、理解している人は少ない。地元の建設業者が説明する。「民家の場合は、屋根に上がり高圧洗浄機で瓦の上を洗い流す。土壌の洗浄は土の表面を剥がして処分するのが基本。1時間も洗浄機を持てば手が震えるし、掘り返すのは当然ながら重労働ですが、工事としては極めて単純です」要は「水をかける」「か「土を掘り返す」のが主な作業だということ。
しかし、その「単純作業」がカネの成る木に化ける。野田首相は、年頭会見で「除染をしっかりすることが福島の再生につながる」と力説し、費用は「1兆円規模」を方針に掲げた。それを受けて、除染を担当する環境省は11年度第3次補正予算に2459億円、12年度当初予算に4513億円を計上した。さらに13年度負担分を合わせると1兆円を超える。一般人が防護服を着ることなく普通に生活している場所での除染作業でも、作業員には”危険手当”として、普通より割り増しされた給料が支払われているケースがある。原発から近くなればさらに手厚くなり、人事院が定めた作業に当たる公務員に対して支払われる金額に準じて増額される。例えば警戒区域内では1万円、計画的避難区域内は5000円。
八ッ場(やんば)ダム建設を例に挙げるまでもなく、近年の公共事業では「湯水のように時間とカネをかけ、遅々として進まない」ことが批判の的になってきた。しかし、「除染」に限っていえば、「放射能はほんの少しでもコワい」「徹底的に取り除け」という論議が後押しになる。「時間とカネをいくら費やしても批判されない。こんな公共事業は滅多にないわけですよ」と、中堅建設会社幹部は喜びを隠せない。こうしてう予算は青天井となり、費用は暴騰していくのである。
現状の「除染」はカネの無駄?
しかし、「除染は労多くして功少なし」との意見も少なくない。福島氏が昨年10月に行なった大波地区の民家6戸の除染結果を見ると、屋根はたった30%と、半分にすらなっていない。同市の除染活動を視察し、住民たちと除染研究を続けている京都精華大学の山中教授が指摘する。「屋根瓦は表面の塗料や瓦の内部に放射性物質のセシウムが入り込んでいて、高圧水を吹き付けるだけでは取れません。むしろ飛散させてしまい除染というより移染になる。本来なら屋根瓦を剥がすのがベストだが、費用がかかり過ぎる。結局、”やったような気になる”高圧洗浄が今後も主流となるのでしょうが、これでは無駄な予算を垂れ流し続けることになってしまう」
そもそも、「除染」そのものに効果があるのかという指摘もある。昨年11月初め、大学教授や自治体職員らをメンバーとする福島県の調査団が、ウクライナとベラルーシを訪れた。団長を務めた清水・福島大学副学長は、チェルノブィリ原発事故の除染で、農地の表土除去について「実施したがコストがかかり過ぎて、効果がなかった」と報告している。範囲が広大となる除染では、費用対効果が大きなポイントとなるのだ。
政府は長期的に1ミリシーベルト以下との目標を掲げるが、それまでにどれほどの費用がかかるのか誰にもわからない。福島でチェルノヴィリの失敗を繰り返し、「終わってみればゼネコンだけが儲かった」ではまったく浮かばれない。前出の前田教授は、「ゼネコン利権になろうが、効果的に住民が安心して暮らせるレベルまで線量を下げれくれるなら構わない。しかし受注に血道をあげて、効果的な除染に繋がっていない現状では、無駄な時間とカネだけが費やされてしまいます」ある南相馬市民はポツリとつぶやいた。「”今の除染が必要なのか”と口にするだけで、”せっかくカネを貰えるんだからよけいなことを言うな”といわれました。除染は誰のためなのか……」
『週刊ポスト』3.16
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