加藤のメモ的日記
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遂に70回を数えたこの欄で、これまで4度も血祭りに上げた人間はいない。しかし切っても切ってもミミズのようにしぶとく生きる猪瀬に対しては、4度目の筆誅を加えることにした。今度の大宅壮一ノンフィクション賞選考について、人間はそれほど卑劣になれるものかという動きをしたと聞いたからである。
つまり、有力候補だった佐野眞一の『巨怪伝』をけなし、何人かの選考委員に、これを選ばないよう、しつこく働きかけた。佐野は猪瀬のかっての盟友である。実力は佐野のほうがあることははっきりしていたが、猪瀬は小ずるく立ちまわって大宅賞を受賞した。ならば、今はケンカしているとはいえ、少なくとも佐野の受賞の邪魔はしないというのがニンゲンではないか。
なのにこのミミズ男は恥も外聞もなく妨害をした。それだけ佐野に対するコンプレックスが深いということだろうか。佐野の作品では、私は『巨怪伝』より『業界紙諸君!』などのほうが優れていると思う。それにしても、イヤな話ではないか。『巨怪伝』が落ちて、櫻井よしこの『エイズ犯罪』が受賞し、その後開かれた祝いの会で猪瀬が大きな顔をしていたという。多分、選考委員でもないのに自分が受賞させたぐらいのことは言っているのだろう。
平凡社の『大百科事典』によれば、陸生のミミズは「土中にほぼ垂直な穴を掘って、日中はその中で静かにしており、夜になると穴から体の半分を地表に出して地上の餌を飲み込んだり、穴の中に引っ張り込んで食べる。また夕方から朝にかけて頭を下にして穴の底の土を飲み込んでは穴の周囲に小さい糞を積み上げる」とか。
一日に体重のおよそ二分の一を量の糞を出すと言われるミミズは、まさにクソ製造機だが、次々とイヤな糞話をつくりあげる猪瀬はミミズと同類である。本誌で女性がらみのスキャンダルを書かれ、とりわけ娘に読まれるのを恐れて、ミミズのように穴にもぐりこんでいたという話もある。
ミミズには眼がない。だからミミズの名もメミエズから転じたと言われるが、そんなこともあって日光の紫外線が苦手らしい。猪瀬もまったく同じで、田中康夫や私が批判した時も、正面から反論することはなく、陰にまわってコソコソと足を引っ張る動きをした。
立花隆がその受賞に強力に反対した猪瀬の大宅賞作品『ミカドの肖像』について、作家の藤堂志津子と対談した時、ついでに触れ、「彼は天皇を商品化している。しかも、右翼が相手にしない」と言ったら、藤堂は「それは悲しい。右翼に相手にされて一人前じゃないですか」と喝破していた。「憎まれてこそ華」などという彼女の指摘は高級過ぎて猪瀬にはわかるまい。道学者めいたことを言うつもりはないが、せめてミミズから人間に昇格してほしい。その日を期待しないで待っている。
『佐高信の直球・剛球』
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