加藤のメモ的日記
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丸山ワクチンとは人体の結核菌体から抽出された物質で副作用がまったくない。丸山ワクチンには直接がん細胞を殺す作用はないが、免疫療法の一つである。体のどの部位に発生したガンにも対抗できる治療法である。
ガンはがん細胞とそれを取り巻く間質という(結合組織・コラーゲン)という支持組織から成り立っている。そこへワクチンを注射すると、間質にリンパ球がたくさん現れ、また結合組織が非常に増殖して、ガン細胞を取り巻くようになる。そして囲まれたガン細胞が萎縮、崩壊していく。また適度な量のワクチンを投与することにより、インターフェロンが産出され、マクロファージという免疫細胞が活性化され、ガン細胞の増殖が阻止されるということが明らかになっている。
丸山ワクチンの四大特徴として 1.副作用がない。2.延命効果が高い。3.自覚症状が取れる。4.ガンが縮小・消失する。という点が挙げられる。しかし丸山ワクチンはどんながんでも100%治る薬ではない。丸山ワクチンに最後の望みを託す末期がんの患者の3年以上の生存率は、がんに部位にもよるが数%から30%である。しかし末期がんと宣告された患者が3年以上生存しているという事実は無視できない。
先日、ニュース23の筑紫哲也氏が肺がんで亡くなった。一ヶ月ぐらい前帽子をかぶってテレビに出演したのが最後だった。たぶん抗がん剤の副作用で頭髪が抜けたのだろう。彼は一日タバコを二箱吸うヘビースモーカーだった。しかし彼は「がんの原因はストレスで、タバコはきっかけに過ぎない」と言っていた。
私は彼が丸山ワクチンを使っていたら、と考えた。助からなかったかもしれないが、抗がん剤の苦しみからは逃れることができたと思う。がん患者は抗がん剤で苦しみ、がんそのものの痛みからも苦しみぬいて死んでいく。抗がん剤による苦しみは24時間の吐き気。嘔吐、むかつき、手足のしびれ、口の中のネバネバ感、めまいなどである。正常細胞まで攻撃するのだから当然といえる。抗がん剤による治療の成功率は20%ということだ。
丸山ワクチンは有償治験薬という特殊な薬となっている。健康保険が適用されず、40日分の薬代9000円は全額自己負担である。これは週刊新潮によると医学会の想像を絶する権威主義と、薬品メーカーを巻き込んだ利権争いの構図が見えてくる。
丸山ワクチンは、平成4年(1992年)90歳で亡くなった丸山千里・日本医科大学名誉教授が作り出したガン治療薬である。彼は戦時中、皮膚結核の治療用ワクチンを開発したが戦後、結核患者にはガンが少ないことに気づき、丸山ワクチンの研究開発に乗り出した。そして人型結核菌から副作用を取り除いたワクチンを開発した。
その少し前、元大阪大学の学長だった山村雄一氏は、牛型結核菌のワクチンでがん治療の研究をしていた。しかし牛型結核菌というのは、副作用取り除く技術がなかなか確立できない。そこで丸山氏に人型結核菌からどうして副作用を取り除いたのか教えろ、とかなり高圧的に迫った。
しかし丸山氏はそれを断った。そこから丸山ワクチンの不運が始まった。
山村雄一は丸山とは対極の人生を歩んだ人物である。昭和16年に大阪大学医学部を卒業すると海軍の軍医になり、激戦地となったガダルカナルまで赴いている。戦後、九州大学医学部教授を経て、母校大阪大学に戻るやとんとん拍子に出世して、大学総長まで昇り詰めた。また日本免疫学会長、日本癌学会会長を歴任し、昭和61年に学士院賞を受賞し、63年には文化功労者にも選ばれ、栄光と名声に彩られた学者人生だった。
この挫折知らずのエリート学者に唯一屈辱を味わわせた人物が日本医大の無名の医者、丸山だった。
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