加藤のメモ的日記
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2008年07月06日(日) ヒジキの力

海藻類にはさまざまな効用があるが、その中でも特筆すべきはガンの予防効果である。北里大学、山本一郎教授らの実験で、腸にガンを起こす発ガン物質を投与したラットに、普通のエサを与えたラットと、海藻類の粉末・抽出物を混ぜたエサを与えたラットの発ガン比率を比較した。

すると海草を混ぜたエサのほうが30〜70%も、ガンの発生率が少なかった。また三重大学、野田宏行教授らが同様に実験を行った。その結果、35%以上のガン増殖阻止率を示した海藻が23種類もあった。

このメカニズムは、海藻の豊富な成分が発ガン物質の排泄を促進するなど、さまざまな働きによると推測されている。昆布、ヒジキ、ワカメなどの海藻類を、毎日の食卓に取り入れてきた先祖の食文化は理にかなっていたことになる。

戦後の栄養学者として高名な川島四郎博士は「おふくろの味の筆頭に上げたいのはヒジキの煮付けである」と言っている。彼の著書「日本食・長寿健康法」で勧める「米・豆・魚・海藻・青野菜」を中心とした食事で100歳近い長寿を達成された。

ヒジキは古代より重要な食用海藻であった。明治、大正あたりまで主食は米、麦、ヒジキという暮らしも当たり前であった。粗末なようであるが栄養学的にはほぼ完璧に近い食事である。

日本は昔から天明、天保の飢餓などのようにたびたび凶作不作に見舞われた。しかし海岸地帯は餓死などの被害が比較的少なかったという。それは農作物の代わりにひじきを食べることで、飢餓から免れたのだ。

ひじ気がずば抜けた超栄養食品であることは次のことからも歴然である。他より突出したカルシウム、ヨード、ミネラル分、カリウムを含む。100グラムあたりのカルシウム量は牛乳100とすると、ヒジキは1400。ワカメ960、昆布710で、わずか7グラムのヒジキで牛乳1本分のカルシウムをとることができる。

食べれば歯が丈夫になり、髪の光沢がよくなると共に血管硬化も防いでくれる。川島博士は92才にしてなおアフリカに旅行し、現地調査をしてこられた頑健さこそヒジキパワーによって培われたのだ。

生命は海から生まれた。つまり海には生命に必要な成分全てが存在する。血潮という言葉も血液の成分と海水の成分が極めて似ていることに由来する。つまり海には生命に必要な成分が全て存在する。それを凝縮したものが海藻なのだ。その成分を見るとタンパク質、糖類、繊維、灰分、ミネラル、ビタミン類とほぼパーフェクト栄養食であることがわかる。

海藻は海の深いところに生えているものよりは、浅いところに生えているものがよい。浅い場所にあるほうが太陽光線がよく届くからである。浅いところに生えるヒジキやワカメが葉緑素摂取面ではすぐれている。ワカメはなるべく生で食べたほうが、ビタミンAとCをより多く含んでいる。

ま・ご・は・や・さ・し・いとは、豆、ゴマ、ワカメ(などの海藻類)、野菜、魚、しいたけ(などの菌類)、いも、である。


『ガンにならないゾ宣言 2』船瀬俊介


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