夏の足音が聞こえる。じわじわと近づく夏の気配。何度となく迎える季節を、私は少し焦りながら待ち遠しく感じている。立ち止まることが怖いくせに。縛られるなんて大嫌いなのに。どれだけ自由に振舞っても、たとえ本当に自由なんだとしても。彼に捕らわれたい。きっと私は満腹のライオンの目の前で身を縮めながら赤い瞳で見つめ続けるウサギ。ちらりと寄せる視線に私の心は喚起に咽ぶ。早く食べてと必死に叫んでる。私は今でも彼のもの。