++るうの独り言++
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2003年03月20日(木) 空白

空白と空爆
点一つで大違い。<何をいうやら(^^ゞ 

その朝8時30分まではテレビを見て
世界情勢を気にしてたんだ。
「娘の誕生日の2日前、父ブッシュが湾岸戦争を起こし、それから12年?! やれやれ。このファザコン大統領め」とかなんとか。

で、
仕事にいく時間がきたので自転車にまたがり
1軒めのお宅の玄関をあけたとたん
世界情勢はきれいにふっ飛んだ。

利用者さんが話題にしたなら思い出したかもしれないけど
いっさいなかった。
利用者さんには
1週間たまっちゃった洗濯物のことが
娘さんが贈ってくれたサイズのあわない下着のことが
手が痛くて大根が切れないことが
その利用者さんにはなによりも重大問題だったのだ。

2軒めのお宅では
ヘルパーを相手に1週間の孤独を一気に発散させる。
その話の内容にはこのイラク米戦争のことはちらとも出ない。
いわば自分史を私に語ってくださった。
「蓮見さんだから話せるんだわ」という最高の言葉をいただきつつ拝聴する。

昼、ヘルパーステーションに戻りそこでお弁当。
先の利用者さんの凄まじいまでの人生にふれ、自分の脳天気さ加減とか苦労知らずの人生とかそんなものがなんだか申し訳なく情けなくなり、
「この仕事は私みたいなのがやるもんじゃないですねー」
と主任のヘルパーさんに思わずこぼす。
「そんなことないそんなことない。むしろヘルパー自身が幸せでなかったらこの仕事はできないのよ。いろいろな人生経験はあってもいいけど、今自分が幸せかどうかが大事なんじゃないのかな」

そうか。よかった。それならそういうことなら私、だれにもまけずヘルパーに相応しい。旦那ちゃん、ありがとう(笑)
などとほっと安心する。
午後の仕事の元気が出る。

・・・そのころ安心する世界情勢ではないはずだったのに。

午後のお宅では
私はいかにお口にあってかつ栄養価の高い料理を2日分作るかということに腐心する。もちろん料理だけすればいいわけではない。
「しなくっちゃいけないこと」は山のようにある。本当は2時間じゃ足りないのを、見事2時間で仕上げるのが私の誇り。
「いつもよくしてくれてありがとう。卵焼きとってもおいしい」
あー、よかった。ほ。

充実感と「まあまあ今日はいい仕事ができたな」という達成感を胸に、
結構いい気分で家に帰る。ほわほわと幸せな気分になる。

で、
家に帰ってシャワー浴びて、ほっと一息コーヒーを飲みつつ
ラジオをつけたとき、
私は現在の世界情勢を思い出したのだった。
『せんそう??? ・・・・あーーーーーー!!』


でも
世界平和を考えなかった自分を私は恥じたりはしなかった。
イラク米戦争を話題にしなかった利用者さんを「しょうもない」と思わなかった。

だってさ、
利用者さんは日々いろんなことと戦っていて、その日々の戦いに少し安らぎを与える仕事をしてきたんだもん。
これって1番小さな世界平和への貢献じゃないか、などと(^^ゞ 

前にもいったけど、戦争は「外交手段の一つ」
国は「国益」で動く。
“思想だけで飯がくえるかっ!”(笑)

アフガニスタンだけでなくイラクだけでなくなんと日本にも
今回の戦争よりもっと『重大・重要』な問題を抱えている人がたくさんいる。

反戦集会もいいけど、人間の盾もその人の好き好きだけど(笑)
本当の世界平和への行動って、自分の生活の足下からなんじゃないかとか。
自分の周りの人を和ませ、その人がまたその周りを・・・・
われわれ一般人はそうやってすこしづつ和みの笑顔を広げていく。

主任のヘルパーさんがいってくれたその言葉こそが「平和」の一歩なんだと思う。宮沢賢治も「世界が幸せになるには一人一人がまず幸せでないと」っていってたじゃないか。

きっとブッシュもサダムも「幸せ」じゃないんだろうな、と。

私の「世界平和貢献」は
利用者さんをできるだけ幸せにする。元気が出るようにする。
自分の子供たちと旦那ちゃんに笑顔をいっぱい贈る。
ちょっと寄付する。
なによりも私が元気で心から幸せでいる。

とりあえずこれでいこう。
とりあえずとはいうけど、これがなかなか大変なんだな。あは。




◆昔の今日の記事
2002年03月20日(水) やっぱりるうは若くない


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