++るうの独り言++
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2002年05月13日(月) 新聞紙

庭に面した廊下の窓ガラス6枚の窓拭き。

これ、ほんとうは
ヘルパーの仕事ではないのだ。

でも
確かに利用者さんはそれを自分でしたくてもできないのだし、
わたしがそれをすることで
利用者さんの気持ちがすっきりするなら、それこそ介護&援助だと思うし、
それで利用者さんが笑顔になって元気になるなら私もうれしいし、
しかも「今日は他の仕事はしなくていいから」、という言葉もあったし、
天気もよかったし、
張り切ってやる気になった、という訳。

「すみません、ガラスを磨く洗剤かなんかありますか?」

・・・なかった。
うげ。ガラスクルーもガラスマイペットもスクイージーもなしか。
しかし、顔はあくまでもにこやかに

「じゃー、新聞紙とバケツお借りしますね〜♪」

けげんな顔をする利用者さんを尻目に、
必殺「新聞紙で窓拭き」を決行する。(笑)
洗剤などなくても実にきれいになる。しかし、時間と力がかかる。

約45分後、
新聞紙と水でぴかぴかになった窓をみて
利用者さんが、「うわ〜、こんなにきれいになるなんて!」と実にうれしそうな顔をしてくださる。
洗剤を多用するより、古新聞でってところがさらにうれしさをアップさせるのだ。利用者さんはそういう年代なのだ。
わたしは
『やったね! *ガッツポーズ*』と思う。幸せな瞬間だ。

この笑顔のために、私は窓拭きしたんです。


それから3日後
突然この利用者さんの旦那様(88歳)がお亡くなりになった。

数日たってお線香をあげさせていただきに伺う。
肩を落とした利用者さんが
「いいお葬式だったんですよ。 蓮見さんが窓拭きしてくれてたからきれいな家に迎えることもできたし。」

わたし、、、せつなくてせつなくて、どうしようもなかった。
この複雑な心境をどうあらわしていいのかわからない。

この仕事は
そういう覚悟もいつもしていなくてはいけないのだ。

・・・一期一会の言葉が重すぎるほど重い。




◆昔の今日の記事


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