子の年齢:5歳7ヶ月
民主党のマニフェストに高速道路無料化というのがあるらしい。 一大事である。 最近ETCをつけたばかりなのだ。 一度も週末千円の恩恵にあずかっていない。
鳩山内閣が発足する前に、何が何でも車で四日市に行ってやる! とママは決意した。
ちーちゃんは抗議した。 「すぐ帰ってくるがなら、行きたくない。車よりバスがいい」 ママは方向音痴なので、怖いのである。 おまけに、方向音痴克服のために取り付けたカーナビくんが、とんちんかんだ。
「ママは行くよ。ちーちゃん一人で留守番する?」 こう言われては、ちーちゃんも諦めるしかないのだ。 おとなしくまな板の上の鯉になった。
さて、パパが事前にルートを設定してくれたんだが、どうもカーナビくんが信頼できない。 印刷された地図で事前にルートを確認する。
初めての道なので、本当は陽のあるうちに着きたいところだが、夕方まで用事があるので、土曜の未明に料金所を出るスケジュールで出発することにした。
さて、いつもの北陸自動車道を抜けて、小矢部JCTを過ぎ、トンネルだらけの道に出ると、あたりは暗く、対面交通になる。 うかうかしていると後ろからどんどん煽られる。 標高も高いので、霧が濃く前が良く見えない。おまけに長い下り坂なので、井戸に落ちていくような恐怖にとらわれる。
でも後ろの車は待ってくれないのだ。前に進むのも怖いが追突も怖い。とにかく進むしかない。 歯の根が会わない。ガチガチいう。 ハンドルを持つ手に変な力が入っているようで、手首が痛い。
でもとにかく進むしかない。 Uターンはできないのだ。 通るPA全てに順番に止まりながら進むが、PAからPAの間は案外距離がある。 遠いなぁ。 本当に行けるのかなぁ? このままPAで朝日を待とうか?
なんてことも考えながら、再び出発する。 これの繰り返し。
ひるがの高原を抜けると、標高が下がって霧が晴れた。道路の両側に夜景が広がり、追い越し車線もある。 もう大丈夫。 そんな気がした。
岐阜羽島ICで高速を降りたのが、午前2時頃。 出発してから約5時間が経過していた。近くの道の駅にパパが迎えに来てくれて、そこからパパの誘導について一般道を走った。 目を覚ましたちーちゃんも、パパが登場したことで俄然元気になる。 ママがダウンしてもパパがなんとかしてくれる! こう思ったに違いない。
パパの家に着いて、日が高く昇るまで爆睡した。 あー、これでなんとか。 冒険の片道は終わり。 帰るのはできるかなぁ・・・。
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