子の年齢:5歳3ヶ月
ちーちゃんは、人にはテリトリがあるということをあまり理解してないみたい。 他人同士で許容される接近距離っていうのがある。 これは暗黙的に決まっていて、それを超えて近づいてくるときは、何か理由があると理解される。
ちーちゃんは時々、知らない人に10cmまで接近することがある。 その都度教えてやるのだが、テリトリは皮膚感覚でわかるものなので、頭で考えてテリトリを守るのは難しいようだ。
そういう訳でちーちゃんは、意図せず、なれなれしいヤツだと思われている。
ある日銭湯で、同い年の男の子に会った。 偶然ばーちゃんが、「ウチの孫と同い年なのに、大きいねー。」なんて話をしていたところにちーちゃんが来合せたので、ちーちゃんは既に友達になった気になっている。 背中をツンツンつついたり、一緒に泳いだり、とにかく体に障る。 相手はちょっと迷惑そうだ。当たり前だよ!
「体を触っていいのは、仲良しのお友達だけだよ。」 「知らんかったもん。」
さんざんつきまとった挙句、彼が上がってしまうとサッサと存在を忘れ、一心に自分の身の回りのことを始めた。 彼は一旦外に出て、バイバイを言いに戻って来た。 ちょっとはにかんだような顔で、手を振っている。 ちーちゃんは、きょとん、としている。
親しげなそぶりを見せて、その実なんとも思ってないのだ。 そういうとこ、パパにそっくりだよ、ちーちゃん。
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