子の年齢:3歳11ヶ月
パパが帰ってしょんぼりしているちーちゃんは、ビデオを2本も立て続けに見ている。目が悪くなるよ〜、止めさせなきゃ。 そうはいっても他にすることがない。外は雨だし、日も暮れた。 こういう時は銭湯に行くしかない。
という訳で銭湯に行ったのだが、最初から少し頭痛がしていた。 湯船の中で泳いで遊んでいたら、ちーちゃんにごちーんと前歯を頭突きされた。 いたたた・・・。
思いのほか頭に響いたらしく、湯船から立ち上がれない。吐き気がする。 「うーん、ママ運転できない。どうやって家に帰ろっか?」 それを聞いたちーちゃんは、泣き出した。 「ママ、だめ、起きて。赤くも何もなってないよ。起きてよぅ。」 必死でこちらの頭をさすっている。
どうにか立ち上がってちーちゃんの体を洗い、浴室を出る。 立っていられないので、座ったまま洋服を着て、車に乗る。
とにかく家に帰れば、布団は敷いてある。
雨降りの夜なのだ、予想していた以上に運転が大変だった。 なんとか駐車場に車を入れて、ほっとした。 荷物は玄関にほっぽって、布団に倒れこんで寝ようとすると、ちーちゃんが歯磨きしてないといって泣き出した。 「ママできんから自分でして。」 「できんもん。虫歯になる〜。」 「ママできんが。一人でできんがならあきらめて。」 「虫歯になる〜。うぇ〜ん。うぇ〜ん。」
融通がきかない。もう仕方ないな〜、なんとか磨いてやると今度は布団に湯たんぽが入っていないと泣き出した。 「風邪ひくねか〜。うぇ〜ん。」 「大丈夫、すぐあったかくなるから。」 「風邪ひく〜。」 何と言われようと湯たんぽなんてできない。知らん顔して寝ようとすると、パパに電話する、と言い出した。 「電話取っておいで。」 ちーちゃんが携帯電話を探し始めると、タイミングよく電話が鳴り出した。 「パパ。パパ、ママが湯たんぽ入れてくれん。」 受話器の向こうから聞こえるのは明らかにおばあちゃんの声だ。 「智ちゃん?どうしたん?泣いとんが?ママは?」 「ママ頭痛いって。病気悪いが〜。起きれんが〜。」 「今そっち行くからね。大丈夫だよ。」
電話が切れて今度はパパに電話する。 パパはちーちゃんのヒステリックな泣き声を聞いても何の異変も感じないようで、「クリスマスにはなんとか帰れるようにするからね」と言って電話を切ろうとする。 あれ、おかしいな、どうしてパパは僕が困っているのがわからないんだろう。 そうこうするうちにおばあちゃんが到着して電話をかわる。
「裕治さん?私が来たからもう大丈夫だからね。」 「えっ???」 もう、仕方ないな〜。 「電話かして。わたしがお風呂で具合悪くなって、不安だから電話したんだよ。」 ちーちゃんはおばあちゃんの顔を見て安心したらしく、湯たんぽが入る前に寝てしまった。
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