32年間生きていると、何人かの近しい人の突然の死に遭遇する。 事故であったり、自ら命を絶ったり。
そこから僕が解ったことはたった二つだけ。
「人は思っていた以上に簡単に死んでしまう」 「そのことは時間が経てば忘れてしまう」
誰かが死んだときに、実は僕はあまり「悲しい」という感情にはならない。 というかあの感覚をなんと表現してよいかわからない。
「もういないんだよな」と感じるだけ。
だから、だいたい葬式やお通夜の後に集まった仲間で話をするときには大笑いしている。 「あんな馬鹿な事を一緒にやった」「あんないたずらをしてやった」とか。 もう腹がよじれるほど笑って、そのおかげで涙が出てきたくらいだ。
そして一人でいる時に、突然涙がどばどばと出てくる。 でも勝手に流れてればいいや。
でも悲しいんじゃないんだよな。
なんとなく同じ列車に乗って旅をしていたのに、急にそいつだけ思い立って途中下車をしてしまい、自分が一人にされたような寂しさのような感覚。
「なんだよ?降りるのかよ?」
だからしばらく走っていればまた元気になる。
そんな事が起きたあなたも、走っていればすぐに元気になるよ。 そして僕らは走り続けよう。 途中下車をして誰かに寂しい思いをさせることなく。
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