シネマ日記
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ハン・ソッキュ主演の韓国映画。 80年代、ベルリンでの諜報活動中に南へ亡命しようとする北朝鮮スパイ・ビョンホ。 命からがら逃げ込み、また彼の身柄を”自由の国”として引き取ったはずの韓国側もまた、 容赦ない拷問を加え、北側の多くの情報を得ようとする。 この拷問シーンが目を覆いたくなるように過激で、かと思うと、すぐ今度は 熱烈歓迎〜風な、紹介シーンになり、まるでハワイのようなレイをかけられたビョンホが 韓国への忠誠を誓い、国旗を振りの万歳・・・。 それからしばらくの間は、スパイ養成の現場で、北側の情報にもちろん詳しい彼が 射撃などの指導を教官として行なったりするわけだが、 数年後、上層部の厚い信頼を得るようになった彼に、初めて北側からの指令が届く。 そう、彼の亡命は偽装で、韓国で革命を起こすための北のスパイだった。 ラジオ番組に暗号が隠されていて、彼は、同じく北側のスパイであるそのDJユン・スミと接触。 使命により恋人同士として出会い、行動を密にしていくわけだったが・・・。 命がけでの任務を迷いもなく成し遂げようとする男と 祖国も知らず生まれながらのスパイとして育てられたものの、 北も南も捨て、別の場所で自由に生きることを夢見る女には違いもあった〜。 やがて、二人とも素性もバレ、北からも南からも追われることに。 脱出逃走先(途中、日本は長崎を経由していく話になってたねぇ、 日本にもその接触係が・・)のリオデジャネイロで新しい生活を送り始めた二人だったが・・・。 ハン・ソッキュ作品のなかでは、興行的にあまりふるわなかったらしいが、 なかなかどうして、この重厚さ、熱演ぶりは、あいかわらず凄いものがあった。 同じ民族間なのに、探り合う諜報活動、冷酷なまでの拷問、容赦ない殺人。 フィクションではあっても、その背景には、いまだ過酷な南北の分断がある〜。 そんななかで、唯一(?)癒し系の登場人物、韓国でのビョンホを慕う同僚役に 「冬のソナタ」のヨングクの人が居たっ! 逃走にあたって、ビョンホにしっかり利用されはするのだが、 彼と洗車したり食事したり初めてのバッティングセンターを体験したりする時のビョンホは、楽しそうだった。きっと本当に一緒に野球観戦したかっただろうねぇ。
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