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2005年09月30日(金) ■ |
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「姑獲鳥の夏」は65点 |
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監督 : 実相寺昭雄
出演 : 堤真一(京極堂) 永瀬正敏(関口) 阿部寛(榎木津) 宮迫博之(木場) 原田知世(涼子 梗子) 田中麗奈 いしだあゆみ
思ったよりよかった。 確かに美術はしょぼい。致命的である。 脚本も冗長な所や説明不足もあることは否定しない。 しかし俳優人ががんばっている。 阿部寛意外は役にはまっていたと思う。 眩暈のするようなカメラワークも、 今回の作品にいたっては意味があった。
本来この作品はミステリーではない。 容疑者の過去が見える榎木津がいる限り。 しかもこの作品にいたってはあまりにも 容疑者と探偵のと関係が密接すぎる。 単純に言うと、 京極堂は容疑者のために出張ったのではない。 関口のためだったのである。 キーマンは関口であるが、 永瀬が思った以上にがんばっていた。
映画オリジナル場面で、 紙芝居のおっちゃんが言う。 「何が真実か分からんじゃないですか。 先の大戦だって、本当だと思っていたことが違うといわれたり……」 というような意味のことを言っていた気がする。 私は先に長いあの原作を読んでいたのだが、 どうしてこの作品が昭和27年の設定になっているのか、 どうして京極堂は科学的な頭脳と 憑きもの落としの能力を同時に持っているのか、 そういう設定の意図がいまひとつ分からなかったのであるが、 今回やっとすっきりした。 戦後のあの頃は 確かに物事の善悪が逆転した時代だった。 だからこそ科学的な思考が必要ではあったのだが、 それだけでは感情的などろどろは解決できない。 憑きもの落としが必要になる所以である。
梗子 涼子の憑きもの落とし以上に 関口の「憑き物」を落とす必要があった。 京極堂は見事であった。
原田知世もなかなかよかった。
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