初日 最新 目次 MAIL HOME


読書・映画・旅ノート(毎日更新目指す)
くま
MAIL
HOME

My追加

2004年11月24日(水)
「ハウルの動く城」は70点

「ハウルの動く城」宮崎駿
冒頭から戦闘機、戦車が描かれ、軍服が闊歩する。宮崎駿が初めて「戦争」を正面から描いた、と思ってはいけない。いや、私は最後の瞬間までそう思っていた。そうでなければこの作品が終らないと思っていた。けれどもそれは裏切られる。
この弱いラストはいったいどういうことなのだ。最後の最後になって宮崎は作品を投げ出したというのだろうか。ついには自分の後継者が見つからない、宮崎の愚痴みたいな作品になってしまった。いったん老いてしまうと「荒地の魔女」みたいにもう能力は戻らない。
もちろんいま流行りの「純愛」物語としても観れない事は無い。とくに、ハウルがなぜ「黒」の扉から出ていき、なにをしているのか、大人の女性である主人公はなぜ、ハウルの本質をああもたやすく発見する事が出来るのか、その事に万が一納得できるなら、それはそれで合格点を付けるだけの水準ではあるのだろう。でも不満である。少なくとも私は、主人公たちに共感していないからである。