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2004年08月16日(月)
「発掘された日本列島2004」朝日新聞社 文化庁編

「発掘された日本列島2004」朝日新聞社 文化庁編
昨年発掘された主な遺跡の速報展の公式ガイドブックであり、2003年度発掘遺跡の豊富なカラー写真が入った概略本にもなっている。小さな(でも重要な事が多い)遺跡の発掘内容は分からないが、新聞で全国的に報道された遺跡の概略はこれで大体が分かる。いわば考古学の簡単な最新情報はまずこの本から、ということになるだろう。

実際、新聞でこまめにチェックしていたつもりだが、見落としていた遺跡、あるいは事物の多いことがわかった。九州奴国の首長クラスの墓とされる安徳台遺跡、報道を見落としていたと気づいた。岡山県のすぐそばの智頭から縄文集落が発掘されていたのは知っていたが、こんなに豊富な出土品があったとは知らなかった。唐古・鍵遺跡から出土した葛鉄鉱容器に納められた最大級のヒスイ製まが玉はいろんなことを想像させられる。今回早川和子氏の当時の状況を復元したイラストが多用されている。いい試みである。大事なのは遺物だけではない。遺物が使われた状況なのだから。この本を読むだけでいろんなことを考えさせられるのだから、実際速報展に行って実物を見ることでいろんな刺激を受けることは必至であろう。速報展は東京を皮きりに、群馬、岩手、石川、奈良、高知、神戸とまわっていく予定。私もなんとしてでも近くの速報展に行くつもり。

今回速報展、10周年を記念して各時代の主要な遺跡を特集している。特に縄文の三内丸山、弥生の青谷上寺地はお勧め。