日々あんだら
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2011年10月01日(土) 節目

昨日で、入社してからちょうど11年半。
振り返ってみたら短いような気もするけど、僕が入社した頃に生まれた赤ちゃんがもう6年生。
そう考えたらびっくりするくらい長い。

今日から定年までちょうど25年。
今までの社会人生活の倍以上というのが長いのか短いのか。
時間が経つのが年々早くなって行っているので、もしかすると一瞬の内に過ぎ去ってしまうのかもしれない。





営業のやりがいってなんだろう。

特別いい成績を挙げてきたわけでもないけれど、それでもそこそこ大きな契約をまとめたことは何度かある。
でも、いくら受注しようが、いくらもうけようが、それに達成感ややりがいを感じたことは一度もない。

営業は社内外で一番立場が低い。(僕が若造だということもあるだろうけど)
毎日のように怒鳴られ、プレッシャーをかけられ、結構な無理を押しつけられ、
こちらからのお願いは反故にされ、契約はまとめて当然、利益は出して当然。
社内の調整役に回って板挟みにされて、双方から散々文句を聞かされる。
他の人の失敗は営業が頭を下げに行く。
営業の失敗は自分で頭を下げに行く。
お客さんを切れさせて出入り禁止を食らったこともあるし、
体質に合わない酒で失敗したことも1度や2度ではない。

でも、ごくまれに、
「お前の頼みなら仕方がない」とか、「あの時はお前がいてくれて助かった」とか、
「あの仕事はお前が頑張ったから取れたんだ」とか、「今度仕事抜きで飲みに行こう」とか、
そういう言葉をもらうことがある。
僕を会社から叩き出したお客さんと、なんとか契約までこぎつけた時に、
「またいつかこういう仕事を一緒にやろう」と言われた時は本当に嬉しかった。
そういう言葉のために営業をやってきたわけではないけれど、
そういう言葉があったから営業をやってこられたんだと思う。





明後日から営業を離れ、内勤になることになった。
営業がやりたくて今の会社に入ったんだが、やったことのない仕事をするのはある意味楽しみでもある。
11年半、営業として外に出たければいつでも出られる(お客さんにアポさえ取れば)立場だったのが
一歩もビルから出ない生活に耐えられるのかは不安だけど。(笑)

営業を離れることに、多少思うこともあるんだけど、何も言わないことにした。
子供が親を選べないのと同じように、部下も上司を選べない。
子供が生まれてくる家を選べないのと同じように、サラリーマンにも所属を選ぶ権利などない。
行けと言われたところに行って、やれと言われた仕事をするだけの話。

と、本人としては割り切ってるんだけど、廊下ですれ違うたびに営業のおじさんたち(複数)から
「気を落とすな」とか「お前にとってもきっとプラスになるから」と慰められる。
そのせいでだんだん落ち込んできた。
すんません、それって気遣いじゃなくて追い打ちです。(笑)
「ああ、やっぱりそういうことなのか」と悟ってしまう。





今から行く部署に行って、営業に戻ってきたやつはいない、と他部署の課長に言われた。
言われてみればそうかもしれん。

ウチの内勤は服装はそんなに厳しくない。
スーツでない人も、ワイシャツでない人も、リュックで出勤してくる人も、サンダルで仕事する人もいる。
でも僕は、スーツでワイシャツでブリーフケースで革靴で出勤する。
一度楽なのを覚えたら元に戻るのに苦労するから。(気を抜くと楽な方に流れてしまう性格なのだ。笑)
いつか絶対、営業に戻ってやろうと心に決めているから。
立場や仕事の進め方は内勤になるとしても、感覚は営業でいたい。





入社してからちょうど11年半。
定年までちょうど25年。

貯金を下ろして革の鞄を買った。
引っ越しでお金もないのに、無理をした。
でも、これから25年間、この鞄を使うのだ。
そして、この鞄を持って交渉の席に向かうのだ。



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