日々あんだら
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昨日で、入社してからちょうど11年半。 振り返ってみたら短いような気もするけど、僕が入社した頃に生まれた赤ちゃんがもう6年生。 そう考えたらびっくりするくらい長い。
今日から定年までちょうど25年。 今までの社会人生活の倍以上というのが長いのか短いのか。 時間が経つのが年々早くなって行っているので、もしかすると一瞬の内に過ぎ去ってしまうのかもしれない。
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営業のやりがいってなんだろう。
特別いい成績を挙げてきたわけでもないけれど、それでもそこそこ大きな契約をまとめたことは何度かある。 でも、いくら受注しようが、いくらもうけようが、それに達成感ややりがいを感じたことは一度もない。
営業は社内外で一番立場が低い。(僕が若造だということもあるだろうけど) 毎日のように怒鳴られ、プレッシャーをかけられ、結構な無理を押しつけられ、 こちらからのお願いは反故にされ、契約はまとめて当然、利益は出して当然。 社内の調整役に回って板挟みにされて、双方から散々文句を聞かされる。 他の人の失敗は営業が頭を下げに行く。 営業の失敗は自分で頭を下げに行く。 お客さんを切れさせて出入り禁止を食らったこともあるし、 体質に合わない酒で失敗したことも1度や2度ではない。
でも、ごくまれに、 「お前の頼みなら仕方がない」とか、「あの時はお前がいてくれて助かった」とか、 「あの仕事はお前が頑張ったから取れたんだ」とか、「今度仕事抜きで飲みに行こう」とか、 そういう言葉をもらうことがある。 僕を会社から叩き出したお客さんと、なんとか契約までこぎつけた時に、 「またいつかこういう仕事を一緒にやろう」と言われた時は本当に嬉しかった。 そういう言葉のために営業をやってきたわけではないけれど、 そういう言葉があったから営業をやってこられたんだと思う。
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明後日から営業を離れ、内勤になることになった。 営業がやりたくて今の会社に入ったんだが、やったことのない仕事をするのはある意味楽しみでもある。 11年半、営業として外に出たければいつでも出られる(お客さんにアポさえ取れば)立場だったのが 一歩もビルから出ない生活に耐えられるのかは不安だけど。(笑)
営業を離れることに、多少思うこともあるんだけど、何も言わないことにした。 子供が親を選べないのと同じように、部下も上司を選べない。 子供が生まれてくる家を選べないのと同じように、サラリーマンにも所属を選ぶ権利などない。 行けと言われたところに行って、やれと言われた仕事をするだけの話。
と、本人としては割り切ってるんだけど、廊下ですれ違うたびに営業のおじさんたち(複数)から 「気を落とすな」とか「お前にとってもきっとプラスになるから」と慰められる。 そのせいでだんだん落ち込んできた。 すんません、それって気遣いじゃなくて追い打ちです。(笑) 「ああ、やっぱりそういうことなのか」と悟ってしまう。
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今から行く部署に行って、営業に戻ってきたやつはいない、と他部署の課長に言われた。 言われてみればそうかもしれん。
ウチの内勤は服装はそんなに厳しくない。 スーツでない人も、ワイシャツでない人も、リュックで出勤してくる人も、サンダルで仕事する人もいる。 でも僕は、スーツでワイシャツでブリーフケースで革靴で出勤する。 一度楽なのを覚えたら元に戻るのに苦労するから。(気を抜くと楽な方に流れてしまう性格なのだ。笑) いつか絶対、営業に戻ってやろうと心に決めているから。 立場や仕事の進め方は内勤になるとしても、感覚は営業でいたい。
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入社してからちょうど11年半。 定年までちょうど25年。
貯金を下ろして革の鞄を買った。 引っ越しでお金もないのに、無理をした。 でも、これから25年間、この鞄を使うのだ。 そして、この鞄を持って交渉の席に向かうのだ。
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