日々あんだら
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2009年06月18日(木) オリンパス PEN E-P1


どこかから拾って来た画像


一昨日、オリンパスから初のマイクロフォーサーズ機、PEN E-P1(←音が出ます)が発表されましたね。
去年のフォトキナで発表されてからずっと買うつもりだったんだけど、
α-7Dやα700すらもしたことのない、予約までするつもりだったんだけど。
出てきたら出てきたでやっぱり不満はあるわけで。
ちょっとそれを並べてみたいと思う。

最初に断っときますが、別にオリンパスに恨みはありません。
(要は日記のネタがないねん。笑)


1.デザイン
このカメラ、単独で見たらなかなかいいデザインだと思う。
このカメラだけ見せられたら「かっこいい!!」って飛びついてたと思う。

でも、去年発表されたモックアップの方がはるかにいいねん…


おれ、このデザインコンセプトを見て、すんごい期待してん。
こんなカメラ見たことない!!って。
その時に、もうテンション上がりすぎたんですよ。

そしたら、今年の春くらいにオリンパスイメージングの社長が、
「個人的にはあのデザインはダサいと思っている」って発言してる記事を読んで、
かなり不安になったのです。
で、「もっとPEN Fのイメージを取り入れるべきだと思う」という発言を読んで、がっかりしたのです。
(PEN Fってこんなん →) …これも音が出ます

PEN Fシリーズは言わずと知れた名機だし、今でも人気が高い。
僕も一時期FTを持っていたことがある。
世界唯一のハーフサイズの一眼レフというコンセプトは素晴らしいし、
ややこしい光路を採用することで、一眼レフなのにペンタ部がないそのデザインもすごくかっこいいと思う。

でもさ、21世紀になった今、そのPEN Fのデザインコンセプトをそのままパクってどないすんねん。
「ウチのデザインはいつまで経っても1960年代を越えられません」って宣言してるようなもんやん?
もっと言うと、「未だに米谷美久(PENシリーズ他のデザイナー)におんぶ抱っこです」って言ってるようなもん。
それでいいのか?

これは友達から教えてもらったことやねんけど、ホンダの社長がカブ発売50周年のパーティーかなにかで、
「この50年間は恥の50年だ」って言ったらしい。
「この50年間、カブを超える製品を作れなかった」と。
それを聞いて素晴らしいと思った。
このセリフは、過去の素晴らしい製品を超えようと50年間努力し続けた会社にしか言えないセリフだ。
そして、超えようとして超えられなかったと認められるのも素晴らしい。
過去の栄光にすり寄って行く会社とは全然違う。


話を戻すと、
コンパクトでどこにでも持って行けること。
気軽に撮れること。
そして斬新であること。

僕が勝手に考えるPENの哲学ってそういう部分だと思うんだけど、
もしそれが正しいのなら、デザインはモックアップのコンセプトにすべきだった。
だって、あんなカメラは今まで見たことないもん。
あれを持って歩くことを考えたらワクワクしてたもん。

それを年寄りが古い感覚で口を出すからこんな形になってしまうねん。
経営者は経営の責任だけ取ってればいいのであって、製品デザインにまで口を出すべきじゃない。
はっきり言って、僕の周りで「モックアップより製品版の方がいい」って言ってるカメラ好きは皆無です。
このカメラは年配者向けか?若者向けか?
それを考えたら、誰の意見でデザインを決めるべきなのか、おのずとわかるでしょう?

ついでに言うと、カラーバリエーションが「銀ボディ×黒革」か「白ボディ×ベージュ革」しか無いのも不満。
モックアップみたいな明るい色も欲しかったし、個人的にはブラックボディが欲しいんですけど。。。



2.パンケーキレンズ
モックアップ見た時から同時に期待してたのが付属のレンズ。
どう見ても単焦点。
デジカメの標準レンズに単焦点をセットにして出してくるなんて、そう滅多にあることじゃない。
単焦点好きとしては非常に嬉しかったし、その判断に拍手を送っていた。

出てきたレンズは17mmF2.8。
マイクロフォーサーズでは画角を35mm判換算にすると倍くらいになるので、34mm相当となる。
35mmレンズを使い慣れてる僕には嬉しい画角だ。

でも、惜しいのはF値が暗すぎる。
単焦点なんだから、せめてF2は欲しかった。。
(ズームレンズでF2.8なら明るいけど、単焦点だったら暗い)
後から書くけど、ただでさえフォーサーズ/マイクロフォーサーズは高感度でノイズがひどい。
だから、あまり感度を上げないでいいように、明るい単焦点が欲しかった。
暗いところで撮るのが好きだから、なおさら。



3.ストロボ
んで、ストロボが内蔵されていない。
できるだけコンパクトにするために省いたんだろうけど、
もっとコンパクトなデジカメにもフラッシュは内蔵されてるのだ。

・標準レンズが暗い。
・高感度が汚い。
・ストロボが内蔵されてない。

で、どうやって暗いところで撮れって言うのさ?
どんなカメラにもストロボは必須とは言わないけど、(てか、むしろストロボ使うことが珍しい)
でもレンズや高感度画質とのバランスも考えて欲しかった。

僕が使ってるα700は、ISO800までなんとか使い物になる。
良く使うレンズはF1.4の大口径だ。
だから、ストロボはほとんど使わずに写真が撮れる。

でも、E-P1はそうじゃないんでしょ?
そういう意味で、バランスが悪い。



4.値段が高い
モックアップを見た時、「レンズ付きで6〜7万で出て来たら面白いな」って思った。
そしたら十分コンパクトデジカメと戦える。(向こうが半額としても画質で勝てると思った)

蓋を開けてみたら、ビッ○カメラの実勢価格(以下全て)で
・ズームレンズキット…99,800円
・パンケーキレンズキット…10,980円
・ダブルレンズキット…129,800円

高すぎるわっ!!想定してたのより3割以上高い。|Д`)
(ちなみにこれにストロボをつけるとさらに1万円以上かかる)

ちなみに、パナソニックのマイクロフォーサーズ機、G1は、
・ズームレンズキット…64,400円
・ダブルレンズキット…79,800円

まあ、発売されてしばらく経つので値落ちしてるのはあるんだけど、
それにしても価格がだいぶ違うなぁ…
はっきり言ってこれなら、シグマのDP-2(実勢:59,800円)が非常に魅力的に見えてくる。(笑)
てか、これならEOS KISS X2のダブルレンズキットの方が安い。(87,500円)

かつてのPENシリーズが爆発的に売れたのは、そのコンセプトやデザイン、製品の完成度もさることながら、
「安い」という理由も大きかったと思うのだ。
PENが35mm判の一眼レフより高かったら、あんなに売れなかったと思うよ。



5.画質
上の4項目がありつつも、それでも予約しそうになった僕を押しとどめたトドメの一撃。
それが画質。(笑)

こんな作例サイトを教えてもらった。
http://www.dpreview.com/gallery/olympusep1_preview/

これは多分β版(試作機)での作例だと思うので、製品版では多少改善されてる可能性はあるんだけど、

これのビルの部分(暗部)とか、
http://a.img-dpreview.com/gallery/olympusep1_preview/originals/p1010174.jpg

これの人肌や背景のボケの部分とか、
http://a.img-dpreview.com/gallery/olympusep1_preview/originals/p1010391.jpg
ISO200でこのノイズの多さはちょっとびっくり。

あと、この写真の
http://a.img-dpreview.com/gallery/olympusep1_preview/originals/p1010295.jpg
赤いナットの部分の輪郭線の出方と、背景の雲の白飛びの仕方が好みじゃない。

元々フォーサーズ規格って、撮影素子のサイズが小さい分、ノイズは出やすいし、シャープネスも強めにかけないといけないだろうし、ダイナミックレンジが狭いので白飛びもしやすい。
だからある程度は覚悟してたんだけど…
ISO800とか1600ならともかく、常用のISO200でこれはさすがにきついなぁ。^^;

まあ、普通のフォーサーズの一眼レフ、E-30やE-620の作例見てもノイズがひどかったんやけどさ。
そういや昔、E-410に惹かれて危うく買いそうになった時、
カタログに載ってた作例見て思いとどまったことがあったんやった。(笑)
(ちなみに同じサイズの撮影素子を使っているパナソニックG1は、ここまでひどいノイズじゃない)





このカメラの使い方を考えた時、普通の人は知らんが、
カメラ好きの人たちは「サブカメラ」として使うのが大部分だと思うのだ。
僕にしても、フィルムカメラをメインとして使う時のサブカメラ的な使い方をしようと思っていた。
最近ずっとフィルムがメインなんだけど、α700をサブカメラで持って行くには重過ぎるのだ。^^;
かと言ってコンデジのF31fdだと画質が物足りない。
そこを埋めるカメラとしてかなり期待していた。

それが、「暗いところでは撮りづらい」「画質がイマイチ」「なのに高い」では正直ちょっと萎える。
サブカメラに10万出せるって、どんだけ裕福やねん!って話。
そしてもちろん僕は裕福ではない。(笑)

まだ使ってもいないのに決め付けるような言い方をして申し訳ないけど、
今のところの印象では、いろんな意味で「バランスが悪いカメラ」だと思う。
言い方を換えれば「惜しいカメラ」。
・デザインがモックアップの延長上だったら。せめてブラックボディがあったら。
・レンズがあと1段明るかったら。
・せめてストロボが内蔵されていたら。
・値段が2〜3割安かったら。
この、どれか2つでもクリアされてたら、今頃予約してると思う。


とは言え、単独で見たらデザインは悪くないし、コンデジよりは綺麗なのは間違いないし、
コンパクトでどこにでも持って行けるのは魅力。
巷で不評な接眼ファインダーがないことも、個人的には全く気にならない。
(コンデジの代わりと思えば割り切れる)



「買わない」と断言はできないですが、しばらく買うか買わないか考えます。

てか、冬のボーナス商戦くらいまで待てば、
・値段が下がる。
・パナソニックからマイクロフォーサーズ用の20mmF1.7というレンズが出る。
・もしかしたらブラックボディも出るかも!
って、条件の3つくらいがクリアされそうな気もする。
そしたら買うな。多分。(笑)


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