日々あんだら
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2005年06月07日(火) |
ナナメナナイロのための週末(後編) |
ボツ写。結構気に入ってるんだけどピント合わせる位置を間違ってた。
<日曜日> 8:20AM。 友達からの電話に起こされる。 ひどい頭痛。頭がガンガンする。 普段めったに頭痛には襲われないため、頭痛に対する堪え性はあんまりない。 (ていうか、痛み全般に弱い。爆)
ベッドにもう一度潜り込みたい衝動を抑えるために、わざとベッドの上に麻ひもやテープや写真などを広げる。 よし、これで寝ようと思っても寝られへんぞ!!(捨て身)
この日の作業は最終段階。 展示レイアウトを決め、それに従って麻ひもを切りクリップをくくりつける。
その展示レイアウト(寸法含む)がなかなか決まらない。 もともとそういう細かい作業や計算は得意じゃないねん。(思いっきし文系) 1時間くらい痛む頭から湯気を出しながらがんばった末にやっとレイアウトが決まる。 麻ひもは17本。クリップは40個。 写真20枚を展示するにはそれだけ必要らしい。
…ちょっと気が遠くなる。
麻ひもの長さを計り、クリップの位置に印を付け、クリップを別の麻ひもでくくりつける。 いくらあらかじめ長さを合わせていても、実際にかけてみたらずれることは予想できているので、 わざと緩めにくくりつけて現場で微調整できるようにする。
事件は現場で起きるのだ!!(壊れ気味)
作業が終わったのが午後1時半過ぎ。搬入5時間前である。 作品と麻ひもと道具を2つのバッグに詰め、出かける用意をする。 行きたいところがあるし、このまま部屋にいると間違いなく寝る。寝てしまう。 麻ひもをなんとか絡まないように入れようと考えてみたものの、 益々頭痛のひどくなってきた頭ではいいアイディアが浮かばず、そのまま袋に突っ込む。 あとは向こうでほどけばいいや!!
最後の最後で壊れたhideであった。
駅まで行き、この日最初のご飯を食べる。 出陣式はやっぱりカレー!辛口キーマカレーに健康に留意し、かぼちゃとグリーンアスパラを追加。(笑)
地下鉄に乗り、まずは心斎橋を目指す。 今、ハービー・山口さんの写真展『静かなシャッター』がNADARで開催されているのだ。
前に四谷での写真展とワークショップに参加させていただいたお礼とご挨拶ができればいいなぁ。 あと、実は前回は写真をゆっくり見れなかったので、じっくり見てみたいなぁ。
そう思いながらNADARの門をくぐる。 ふと気付くとあれだけひどかった頭痛が綺麗に消えてなくなっていたのだった。 カレーか。これはカレーの薬効か。 やっぱりカレーが百薬の長だ!!(違)
ハービーさんはまだ来てないようなので写真をじっくり見させてもらう。 1周目は好きな写真に目が止まる。 東京ドームの売り子さん、レジのところではにかんでる喫茶店のお姉さん、煙草を持ったおじいさんの顔、 工事現場で談笑する人たち。 どれも僕も撮ってみたいと思う、自然で素敵な表情をしている。 きっとほとんどが初対面の人たちだろうに。やっぱりハービーさんの人柄やろうなぁ。。
2周目は、1周目にはなんでもないと思えた写真をじっくりと見る。 最初は「なんでもない写真やなー」などと不届きなことを思っていたが、 そういう写真でも5分10分とその前に立ってじーっと見ていたら、 画面のいろんな場所になにかしら新しい発見がある。 思わぬところから思わぬものが出てきて、「うおっ」っとびっくりしたりする。 ゴメンナサイ。「おれでも撮れそう」とか思ってゴメンナサイ。
じっくり3周して、ハービーさんの写真集『peace』を買ってもまだハービーさんはやって来ない。 でっかい荷物を2つも抱えて長居するのは申し訳ないので、一旦外に出ることにした。
適当なカフェを見つけて入り、コーヒーとケーキのセットを注文する。 …疲れてる時には甘いものが一番なのだ。糖分は直接脳に効くのだ。 ダイエットは明日からまたがんばるのだ。(汗)
ケーキをつつきながら早速『peace』を見る。 ああ、こういう笑顔を撮りたいなぁ。と心底思う。 ハービーさんの写真は、奇抜なテクニックなんかは特に使っていないと思う。 ご本人もエッセーに書かれているが、古典的な写真。 でも、ただストレートにその被写体の気持ち、ハービーさんの想いが伝わってくる。 良いものに古典も新鋭もないんだ。そう気付かされる。
1時間くらいカフェで時間を潰し、1回NADARに電話する。
僕「さっきお邪魔した者ですが、ハービーさんは来られましたか?」 NA「ああ…実は、今奈良観光に行ってるみたいなんですよ…」 僕「な、奈良っ!!」 NA「7時から講演なので、それまでには来ると思うんですが…」 僕「用事があって、それまで待てないんですよ。。。そうですか…」
しかたないのでカフェでボールペンを借りて、持っていたナナメナナイロのDMにメッセージを書く。 その一番下に、ドキドキしながら「お時間があったらお越しください」と書き込む。
お忙しい方だから無理だろうけど、もし万が一来てくださったらなぁ。
すごいな…(想像して軽く卒倒しかけ)
そのメッセージはNADARの人に預けて、そこを立ち去った。
地下鉄を乗り継ぎ中崎町に着いたのは午後5時頃だった。搬入開始まであと1時間半。 R cafeへの道筋案内用の写真を撮りながら歩く。 カフェに着くと1Fのテーブルに早くもイチョさんご夫妻がいるのが見えた。
いろいろ相談しながらお茶を飲んでいると、カノさんとコマイヌさんがやってきた。 どうやら搬入風景を見学するために来てくれたらしい。 一緒にお茶する。
ここで問題発生。 店主のユミさんに恐る恐る「ねじ込みフック、17本ほど使いたいんですけど…」と切り出すと、難色を示された。 まあ冷静に考えると梁にグサグサ刺されるのは嫌やんなぁ… レイアウトを考えてる時は頭が痛すぎてそこまで気が回ってなかった。(爆)
急遽作戦を変更するために再度頭から湯気を出す。 午前中に書いたレイアウト図を取り出して睨んでいると、イチョさんたちに「すげー!!」と驚かれた。 え?そんなすごいの?(走り書きです)
「A型?」
O型です。(笑)
ねじ込むフックの数を減らすために棒を上に渡し、そこに麻ひもをくくりつける案を考える。 これならフックの数が5本は減る。 180cmくらいの棒があればなんとかなるな…
「じゃあ、ちょっとLOFT行って棒がないか見てきます!」
そう言って飛び出そうとする僕を、
「電話であるかないか確認してから行きなさい」
と止めるイチョ嫁さん。
104でLOFTの電話番号を確認し、電話をかける。 結果、80cmまでのものしかないことが判明。 あぶねー、先に電話で確認してよかった!イチョ嫁さんのナイスアドバイスに感謝する僕。
が、問題はなにも解決していなかったのだった。 時に搬入開始30分前。
他にどうしてもいい方法を思いつかず(棒の代わりに紐やワイヤーを張るのも考えたけど、絶対緩んでくる)、 最後の手段を決行することにする。
ラストミッション『ユミさんに泣きつく』
…おい。(笑)
イチョさんたちが感動してくれたレイアウト図を手に、ユミさんのところに行って相談する。
僕「いろいろ考えたんですけれど…こういう風に展示しようと思ってて…棒でもあればいいんですけど、 LOFTに電話してもちょうどいいのを置いてないって言うんです。。」 ユ「…鉄の棒でもいいですか??」 僕「え?あります!?」
あれこれ悩む前に相談しておけばよかったのである。 ユミさんが奥から3本の鉄の棒を持ってきてくれた。 太さの違う鉄の棒を、折りたたみ式の釣竿のように中に入れて使えるようだ。 コ、コレダ。
ちょっと感動して指パッチンとかしてしまったかもしれない。
懸案事項が一つ片付いて、最大の懸案事項にとりかかることにする。 できるだけ今まで忘れていようとしてたことなんだけど… ことここに至ってはこの問題を無視しては通れない。
…ガサガサ
2つ持ってきたカバンの中から、ヨドバシのビニール袋を取り出す。 その中には…そう…
複雑怪奇に絡まりあった、17本の麻ひもがあるのだった。 クリップが付いてるだけに、余計に絡まってます。(爆)
その状態を見て絶句してしまった4人に手伝ってもらいながら麻ひもをほどいていく。
一応先っぽのわっかをボールペンに通していたので、それをコマイヌさんに持ってもらう。 で、1本1本絡まりをほどいていく僕。 それをさっきまで使っていたストローに通して行って持っててくれるイチョ嫁さん。
その「ストロー」ってあたりがイチョ嫁さんらしくて素敵です。
あ、ちなみにイチョ嫁さんの本名はトップシークレットでして。 ウーロン部ですら誰も知らない。(モモさんは昔聞いたことがあるけど忘れたらしい) なのでイチョ家に届く年賀状は、「○○ ○○様(イチョさんの本名)、嫁様」らしい。 嫁様て。(笑)
…話が脇道に逸れちゃったけど、そんなこんなでどんどん絡まりをほどいていく。 コマイヌさんとカノさんが交代でボールペンを持っていてくれた。 カノさんって、前にキャンドルパーティーの時にお会いしたことしかなくて、 その時は座ってたのであんまりそういう印象はなかったんだけど、立ってみたらものすご背が高い。
…ニヤリ。(え?)
やっとほどき終わった17本の麻ひもをイチョ嫁さんから受け取り、立ち尽くす僕。 え…と、これ、どこに置けばいいんでつか? 置いたとたんにまた絡まりそうなんでつけど…
ストローからすだれのように垂れ下がる麻ひもを持ったまま立ち尽くしてるとイチョ嫁さんに笑われた。
そうこうしている間にウーロン部の面々が続々とやってくる。 モモさん・メミさん・チャボさんが急病で倒れたパトさんの作品を持ってやってくる。 その少し後にほかさん。
そのほかさんの荷物は、1.5mくらいの細長いプレート(?)。 それを風呂敷に包んできている。 なんだろう、会社の社長室とか、学校の校長室とかにかけられている毛筆の額。 あんなイメージ。
「…今からなんでも鑑定団に出すのん?」
言おうと思ったけど、言ったら怒られそうで言えなかった。(笑)
お客さんがほとんどいなくなったところで、搬入作業開始である。 メンバー7人中、2Fが5人。僕とモモさんだけが1F。 モモさんは初めにパトさんの展示を済ませるため、1Fで作業するのは僕だけになった。
「カノさーん、コマイヌさーん、イチョ嫁さーん!(←展示しない人たち) 手伝ってーー!」
立ってるものは親でも使うのだ。(笑)
まずはコマイヌさんに手伝ってもらって、鉄の棒2本を固定する。 鉄の棒(太)に鉄の棒(中)を差し込み、180cmになるように調節してビニールテープでグルグル巻きにする。 おっし完成!
これをねじ込みフックに通せばいいのだ。フックは9本のところが4本くらいに少なくできるはず!
…が。 コ「hideさん、これ通りませんけど…」
そう、太いほうの鉄の棒が、フックの内径より太いのだった。
バカバカバカ、おれのバカ。(両こぶしで頭をポコポコ叩きながら)
なんでテープで固定する前に、フックに通るかどうか確かめなかったんだろう? しかたない。鉄の棒(中)と鉄の棒(細)を組み合わせて使うことにしよう。
固定したテープを外し、(中)の中に(細)を通そうとする… が、 僕「あれ?これ、太さ一緒???」 そう、(細)だと思っていたものは(中)だったのだ。 てことは、結局(太)と(中)を組み合わせて使うしかないってこと? フックに麻ひもで作ったわっかをかけて、そこに棒を通すか…
てことで、再度(太)と(中)をテープで固定することに。
バカバカバカ、おれのバカ。(両こぶしで頭をポコポコ叩きながら)
なんでテープを外す前に、(細)だと思ってた鉄の棒の太さを確認しなかったんだろう。 心なしか周りの人たちの視線がちょっと冷たい。そしてちょっと痛い。
そんな感じでバタバタしながらも… 「カノさーん、フックを端から20cmの位置に埋め込んでもらえます?」 「カノさーん、鉄の棒通してもらえます?」 「カノさーん、鉄の棒に麻ひも通してもらえます?」
長身のカノさん大活躍。 僕が踏み台ないと届かないところに普通に立ってひょいひょい手が届く。 調子に乗ってあれやこれやとお願いしまくる僕。(すみません…) そんな様子を吹き抜けの上から眺めてた連中に 「スタジオhideや」 「スタジオhideや」 と囁かれていたのだった。 うっさい、こっちゃいっぱいいっぱいやねん。
カノさん、コマイヌさん、イチョ嫁さん、そして自分の搬入が終わったイチョさんに手伝ってもらいつつ、 着々と準備を進める。
上の階で誰かが写真を取り出すたびに「うおー!」というみんなの歓声が上がる。 おれも見にいきたーい!!でも行けない。
耐えて仕事をする。 見上げた先には座ってこっちを見下ろすモモさん。 暇やったら手伝ってーーー!!
そう思っていたんだけど。
モ「そろそろ私も作業していい?」 僕「はっ!」
そう、モモさんの展示スペースも1F。 でも僕の道具が床に散乱してて、作業できずに待ってただけらしい。 「暇なら手伝え」とか思ってごめんなさい。。。
そんなこんなで、途中でアロンアルファがなくなって最寄のコンビニ(結構遠い)までダッシュしたり、 麻ひもぶっちぎっちゃって新しく作りなおしたり、バタバタしながらもなんとか2時間くらいで作業を終えて、 R cafeを後にしたのだった。
結局一番最後までかかっちゃった。ごめんなさい。 カノさん、コマイヌさん、イチョさん、イチョ嫁さんがいなかったら搬入終わりませんでした。 どうもありがとうございます!^^
で、この日は搬入でバタバタしすぎて、人のはもちろん自分のすらじっくり見る暇がなかったので、 翌日の月曜日、仕事が終わった後で行ってみました。
これ、自分で言うのもなんだけど、おもしろいです。 7人ともなにを出すかほとんど全くと言っていいほど相談してなかったんだけど、見事です。 それぞれの個性がしっかり出てて、その上でけっしてバラバラではない。 一人一人の展示を見てても面白いけど、全体を見渡してもおもしろい。 もしかしたら『R cafe』という空間の持つ力かもしれないけど。
宣伝以外の何物でもありませんが、よかったら是非。今週の日曜日までやってます。(笑)
モモさん 『リトルオアシス』 チャボさん 『トサカファクトリー』(休止中) ほかさん 『Toward Evening』 イチョさん 『zasshu』 メミさん 『おなかがすいてもだいじょうぶ』 パトリシアさん 『空もよう』
カノさん 『カノのオボロ報告』
R cafe
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