日々あんだら
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2005年05月30日(月) |
Rollei 35S |
フードからフィルターからストラップまで全く一緒でも、触ってみればどっちが自分のカメラかわかります。(笑)
今日はなんとなくカメラの話。
Rollei35Sである。 このカメラを手にしたことで、それまで持ち歩いていたTC-1は里子に出され、 ロモLC-Aはお留守番を余儀なくされるようになってしまった。 今、僕と一緒にいる時間が一番長いカメラである。
この「Rollei35シリーズ」にはいろんなタイプがある。 元祖Rollei35から始まって35T、35B、35C、35S、それに電子シャッター採用の35TEや35SEなど。 他にも限定版のClassicやGoldなんてものまである。
元祖35や「T」「TE」はレンズが40mmF3.5のテッサー。(一部35にレアなクセナー付きのものもある) 「B」や「C」がその廉価版のトリオター40mmF3.5付き。 そして「S」や「SE」はゾナー40mmF2.8付き。これはレンズの直径がちょっと大きい。
で、元々このシリーズの35や35T、35Sなんかはデザインが好きで気になっていた。 ちょうどTC-1を探してカメラ屋を回っていた時に、25000円の35Tを見つけて そっちを買ってしまいそうになったこともある。 が、なぜ買わなかったかというと、雑誌や本でよく見る、テッサーの写りがあんまり好みじゃなかったからだ。 そうこうしているうちに、出張先でTC-1を見つけた僕はそれを購入し、 その35Tは誰かに買われて行ったのだった。
そして時は半年ほど流れる。 大阪に異動してきていた僕は、とあるカメラ屋さんの閉店セールにふらっと入り、 そこで1台のRollei35Sと出会う。
やっぱり、デザインは抜群にいい。正面から見ると小さな円が3つ連なっている顔が愛らしい。 そしてブラックボディである。塗装には傷一つないように思われる。 「カメラは黒」というのは陳腐なイメージだと思いつつも、やっぱり僕もブラックボディが好きなのだった。 そして僕の頭の中の相場より、2割くらい安い値段。 委託品なので保証は付かないが、どうせこの店の保証が付いていたってもう閉店するのである。 全然関係ない。(笑)
が、結局その日は買わなかった。 一つは「買うならカードでボーナス一括しかない」ということ。 そして「35Sの写りは自分の好みなのか?」という疑問があったこと。 しかし、俗説で「ゾナーはテッサーよりも一色多い」という言葉がある。 (色乗りがテッサーよりはいいということ) そして持っていた雑誌の作例なんかを見ても、テッサーよりは好みのような気がする。 TC-1やロモLC-Aなどのコンパクトカメラは持っていたものの、フルマニュアルのコンパクトも欲しいところ… しかもあのカメラを手に入れたら、一生モノになりそうな予感がする。。。
その数日後、友人の結婚式の写真が上手く撮れてたことに心底ホッとした僕は、 その足でそのカメラ屋に向かい、自分へのご褒美に(という言い訳で)その35Sを購入してしまったのだった。
…もちろんボーナス一括で。(爆)
さて、そのゾナーの写りは思っていたよりも僕好みだった。 線は細くシャープだが、けっしてギスギスしているわけではない。 そしてピントの合っているところからアウトフォーカスに向かって穏やかにボケていく。 色乗りはあっさりとしていて淡いが、テッサーほどではない。
例えばTC-1のG Rokkor28mmF3.5はミノルタとは思えないくらいコントラストが高く、色乗りが濃い。 線は細く、細かいところまで描写しすぎて、時にギスギスした印象を受けてしまう。
例えばLC-AについているMINITAR1 32mmF2.8は独特の色乗りとコントラストを持っている。 線は太く、シャープネスは低い。パッと見シャープに見えるのは、コントラストが高いせいではないかと思う。
もちろん、LC-Aはその独特の描写(雰囲気)やデザインなんかでファンの多いカメラだし、 TC-1はこの3台の中では、一番「誰が見ても綺麗な写真」が撮れると思う。 特にポジを入れて空を撮った時の美しさはピカイチで、実際今回グループ展の写真を選ぶために見ていて、 手放したのを若干後悔もしている。 (今はゆりさんの手元でメインカメラとして大活躍してるみたいだから、 それが僕にとってもゆりさんにとってもカメラにとっても一番いい選択だったと思うけど)
だが、それらのカメラより35Sに付いているゾナーの描写は明らかに僕の好みに最も近かったのだった。 もっと言うと、「MF時代のミノルタ一眼レフ用のレンズに近い写り」だとも言える。 それまで何台かのコンパクトカメラをローテーションで持ち歩いていたのが、 ふと気付くとこのカメラばかり持って歩くようになってしまっていた。
もちろん、いいところばかりではない。 露出は、絞りもシャッタースピードもマニュアルだし、ピントに至っては距離目測である。 なので、咄嗟のシャッターチャンスには極めて弱い。 少なくともカバンの中に入れていたら撮影可能状態になるまで20秒以上はかかる。
また、カラーネガの淡い写りとカラーポジでの写りは好きだけど、 正直モノクロでの写りはコントラストが低すぎてあまり使ってない。 1回、CLEで撮ったモノクロをRollei35Sで撮ったのだと勘違いして、 「Rolleiでもこんな綺麗なモノクロが撮れるんや!!」とはしゃいでいたことがある。 要は、モノクロに関して言えばCLEのM ROKKORには遥かに及ばない、ということ。(僕の感覚では、ね) あと、ローライのHFTコーティングをしているはずだが、逆光にはあんまり強くない。
また、撮影準備とか、巻き上げ巻き戻し、露出設定などを行う時にこのカメラ独特の「手順」があって、 それを違えると上手く行かなかったり、最悪フィルムをブッチギッたり、カメラ自体を壊してしまったりする。(笑)
しかし、やっぱりこのカメラで撮っていると楽しい。 持って歩くだけで喜びを感じられるカメラだし(デザインや質感を含めて)、 やっぱりフルマニュアルのカメラは「写真を撮っている」という実感がする。 特にメイン機がデジタルのα-7Dになってしまってからは、コンパクトくらいフルマニュアルを持ち歩きたい、 という気分になっていて、ますます出番が増えている。 通勤用のカバンにも入ってしまうコンパクトさも嬉しい。 そして、やっぱり写りは好みなのだった。最近はずーっとポジだけを詰めて撮っている。 目測でのピント合わせにも結構慣れて、一眼レフやRFを使っている時にも役立っている。
きっとこのカメラはずーっと使って行くんだと思う。 少なくとも壊れるか、僕が写真を辞めてしまうか、これ以上に僕に合うコンパクトカメラを見つけてしまうまで。
ということで、優さん、大事に使ってねー。 基本的な使い方のコピーも合わせて、明日か明後日には発送しまーす♪ 優さんがこのカメラでどんな写真を撮るのか、楽しみにしてます。^^
Rollei35S(HFTゾナー40mmF2.8)+ポートラNC400
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