日々あんだら
DiaryINDEXpastwill


2004年06月05日(土) 初ロモ撮影秘話

(ロモ購入顛末記の続き)

さて、心優しいシロさんはメールをくれた当日リサイクルショップに買いに行き、その翌日の月曜日には発送してくれた。
もう北の方には足を向けて寝られない。(…って、北枕かいっ!?)

さてその2日後の水曜日、帰ってくると届いてました〜。シロさんの字は声に負けず劣らず乙女チック(でもないか?)であった。
部屋でさっそく包みを開ける。
うわー、厳重に包んでくれてるなぁ。
プチプチくん(エアクッションね)を勢いよくはがす。
そこには傷一つないロモが!きゃー、美品!!
ロモって実物を見ると、思っていたより小さいことに驚く。
そして手に取ると、見た目より重いことにまた驚く。

さっそく手に取って巻き上げ、空シャッターを切ってみる。
ぎゃはは、ホントに「ペコーン」って言ってる〜!(←ちょっとハイになってます)
裏蓋を開けて見ると、製造番号から1998年製らしい。
うわ、新しいっ!

なんせ僕が一番使ってるSRT101が1966年製なのである。CANON Pはもっと古い。XDが77年発売開始、一番新しいCLEですら82年だったはず。(確か)
そんな我が家に98年製の新顔である。90年代というだけで軽く感動してしまう。
(っていうか、いつから僕はこんなクラカメ好きになったんだろ?最初はデジカメばっかりだったのに…)



さて、ロモである。
説明書がついていたが英語なので読まない。
最新のAFカメラなんかと違って、こういう単純な機能しかないカメラは操作法がだいたい一緒なのである。
巻き上げ巻き戻し、シャッター、裏蓋開放、レンズユニットの向かって右側に絞りとオートを切り替えるレバー、左側に距離合せのレバー。これだけである。
ファインダーを覗きながらシャッターを半押しするが、ファインダー内に点灯するはずのランプが点かない。
ふと茶々さんが電池のプラスマイナスを逆に入れてて撮影失敗したエピソードを思い出す。
電池室の蓋を開けるとやはり電池がプラスマイナス逆に入っていた。
きっと無駄な電池消費を抑えるために出荷時にそうしてるんだろう。
…ってことはなに?このロモは未使用品?




そうやっていろんなものに向けて空シャッターを切っているうちに、僕は異変に気付いた。
あれ?シャッターが開きっぱなしになってないか?(滝汗)
どうやらシャッター羽根同士が引っかかって開きっぱなしになってるらしい。
ブンブンふっても、軽く叩いてみても閉じない。背中に嫌な汗が流れる。
とりあえず裏蓋を開けて、ピンセットでそーっと羽根に触ると引っかかりが外れてシャッターが閉じた。ふうぅ…

そのあと何度か試してみたが、どうやら上向きでシャッターを切るとひっかかるようである。
そんな時にはもう一度巻き上げて下向きでシャッターを切ると閉じる。
ま、まさかこんな欠陥があったとは。(笑)


個人的にロモはなんらかの欠陥があった方がオイシイと思っている。
例えばzuzuさんのロモは完全に機能停止して半年間ほったらかしにしてたそうなのだが、
久しぶりに触ってみると機能回復、フィルムを入れてみると問題なく撮影可能だったそうだ。
言うならば「自然治癒力を持つロモ」である。

アカネさんのロモはある日突然1/60秒でしかシャッターが切れなくなったそうだ。
「融通のきかないロモ」である。(現在は復調)

高校の同級生Iのロモは機能は完璧なのだが、レンズユニットとボディーの間に遠目にもわかるくらいの隙間がある。
中の金属部品なんか丸見えでピカピカ光っている。これは「スケルトン・ロモ」。


ということで、僕のロモは「空が撮れないロモ」なのだ。(爆笑)

でもこれがミノルタのカメラだったら激怒してると思う。
「ロモだからいいかー」というよりむしろ「やっぱりロモはこうでなきゃ♪」とかえって嬉しい。ホント変なカメラだと思う。
ま、万が一シャッター羽根が引っかかっても対処法があるからねー。





さて、翌日さっそくカバンに入れて出勤する。
シャッタースピードの上限と下限がわからないので、とりあえずコニカの200を入れてみる。
駅までの道で4〜5枚撮る。同じ寮の住人に見られたら変なやつと思われるので回りには細心の注意を払いつつ。
ペコーン、ペコーン、と間抜けな音が朝の街にひっそり響く。(笑)

昼休みも早々に昼食を平らげ、スーツのポケットにそっと忍ばせて外に出た。
んー、スーツのポケットにはちょっと大きくて重いなぁ。明らかに不自然なふくらみ。^^;
さて、どっちに行こうかなぁと考え、皇居の方に行ってみることにした。
会社から2ブロックくらい離れ、もう知り合いにも会いにくいだろうと思いロモで撮り始める。

ロモって、距離合わせは適当だし、どうせ露出補正はできないし、ファインダーの視野率も怪しいので、何にも考えないでとりあえずシャッターを押す。
いつも初めて使うカメラは仕上がりが想像できないので撮っていても目隠しをしながら歩くように心許ないんだけど、そこはなんせロモである。いろんなところで山ほどロモフォトを見ているので、初めてのカメラなのにある程度仕上がりを想像しながら撮ることができる。
はっきり言って持った感触もシャッターの音もチープで気に入らないのだが、なぜか撮るのが楽しい。
早く撮り切って現像が見たくてしかたがない。
や、やばい。これがロモの魔力なのか…?(;^_^A




あっと言う間に36枚撮り切って、昼休みの残り時間を気にしながら東京駅のさ○らやに現像に出す。
いつもの店員さんが居たので「初めてロモで撮ったんですよー」と話しかける。

店「ホントですか?じゃあ濃い目に焼いた方がいいですねー」
僕「じゃあお願いします。写ってるかどうかわからないんですけど…」
店「大丈夫じゃないですか?」
僕「でもリサイクルショップで4800円だったんですよ」
店「そりゃ買いですよ!」
僕「でしょ?でも一つ欠陥があって…」
ロモを取り出して上に向かってシャッターを切る僕。
僕「こうやって上向きでシャッターを切ったら、開きっぱなしになるんですよ」
店「うわっ、ホントだ!」
僕「これ、『空が撮れないロモ』なんです」
店「ぎゃははは!!!」

ロモってすごいなー、とここでも思い知らされました。
コミュニケーションツールとしてのカメラ、ってことになると、ロモに勝てるのはライカだけかもしれない。
でもライカの話題だと、きっと爆笑にはならないんだろうなぁ。


現像上がりを取りに行った時もその店員さんがいて、1枚1枚「あ、これいいじゃないですか!」「これがロモっぽいな〜」と言いながら見てきました。
(普段はそんな会話しないんですけど…)
店員さんも「オレもロモ買おうかなぁ」って言ってました。
もちろん「ふふふ、メッチャ楽しいですよ〜」と煽ってきましたけどね。




こうしてロモ煽りから逃れることになったhideなのでした。
本来「煽る人」なんだけど、ずっと煽られ続けていたこの1ヶ月間はきつかった。
今後、おきくさんkanseさんを煽ることに全力を尽くします!!

ああ、やっぱりこっちのポジションの方が落ち着く…(笑)


hide |MAILHomePage

My追加