甘えた関係

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2002年07月17日(水)
ネコのハナシ

クロコネコとオオネコを拾ったから飼っている。
クロコネコは去年、帰宅途中に見かけたけれど拾わずにその場に捨ておいて帰宅したら、それから一週間後くらいに宅の庭の芝の上にてハラをみせてほら愛してよと眠っていた。
オオネコは10年近く前の大雨の日に、まだ産まれたばかりのコネコのところを、発見して拾ってきた。
ビニ袋のなかに3匹はいっていてそのクチがキュと結ばれていたから、なかにはいっていた5匹のうち2匹は酸欠と溺死で死んでいた。
残った3匹は、シロコネコとクロコネコとアメショ風コネコ。
3匹とも離乳前でおかーさんとおとーさんは仕事があって妹とあたしは学校があって日中相手をしてやれないから、マンションを駆け回って授乳できるネコを飼っている人を見つけて、預けた。
おかーさんは、
『一匹だけならいいわよ。』
と言った。
あたしはクロネコが欲しかったからこれがいいと言いたかったけれど、そのときはまだ《魔女の宅急便》がなかったときでクロネコを欲しいというそれはなんだか年齢に合っていない大人びた選択のような気がして言えなかった。
だから、アメショ風のが欲しいそれを飼いたいと言った。
保育園にはいっていた妹は、クロネコがいい、と言っていた。
そして結果、アメショ風コネコが宅にきて、クロコネコは青森に飛ばされ、シロコネコは拾われ先が決まった直後に死んだ。

『可愛いね。』
見た人は言う。
『可愛がっているんでしょう?』
あたしは答える、
「いいえ。」

オオネコが時々歩くのが遅くなったりエサをうまく食べられなくなったりするの
は、ヒゲのかたっぽを切ったから。
クロコネコの背に枝豆の豆一つ分くらい皮膚病みたいに突如白い皮膚があらわになっているのは、カッターでそこの毛を切ったから。
オオネコが鼻水をずるずるとだしながら家中を走りまわっているのは、鼻の先端にムヒを塗りつけたから。
クロコネコがザリガニみたいに突如後退しはじめたのは、そのカオに白いビニル袋をかぶせたから。

「可愛いでしょう?」
あたしは言うし、
『可愛いよね。』
と、相手は言う。

虐げているときはなにも思わない。
ただ、虐げられてくたりとなったのはひどく可愛らしいと思う。
だから、他の者が臭いし煩わしいと疎む二匹の身の回りの世話は全てするし、もし怪我を負ったり病気に罹ったりでもしたらすぐさま動物病院へ自費で連れていく。
そういう存在でもある。

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