リビングで妻が悲鳴をあげた。
「ム、ムカデ!」
オレがくつろいでいるリビングのフローリングの床に巨大なムカデがいたのである。あわててオレは飛びのいた。幸いなことにムカデはソファの下とかに潜り込むのではなく、玄関の方にするすると床を移動していった。
さて、ムカデにはいったいどんな殺虫剤が効果あるのだろうか。我が家にはゴキブリ用の殺虫剤はあってもムカデ用はない。ホームセンターに行けば「ムカデ」と書かれたものが売られてるが、わざわざ買うまでもない。しかも今この時間にわざわざ専用殺虫剤を買いに行くことは無理だ。そのうちにムカデは逃亡してしまうわけで、それが家具の下とかに逃亡してそこで棲息しているということになればそれも困ったことなのである。なんとしても今夜は出てきたムカデを殺害しないといけないのである。
我が家でゴキブリ用に使ってるのは瞬間冷却のスプレーである。殺虫成分ではなく、瞬時に冷やすことでゴキブリの命を奪うという性格のものであり、残留成分の人体への影響や食品に対する付着の危険性を考えてその瞬間冷却の殺虫剤を購入している。そのゴキブリ用のものが果たしてムカデに効果があるのだろうか。
ムカデは玄関の方に移動して隅っこにいる。オレはそのムカデにスプレーを噴射した。見事に逃げられた。逃げた方向は隅っこでもはや逃げ場のないところだった。オレは注意深くムカデ本体に薬剤が命中するように至近距離からスプレーを噴射した。ムカデがほぼ真っ白になって動かなくなるまで噴射した。これで死んだのだろうか。
しばらく経ってもムカデは動く気配がなかった。それで割り箸でつまんでから厳重に紙でくるんでビニール袋に入れ、回収されるゴミの中に一緒に捨てたのである。ゴキブリとかを駆除した時と同じ捨て方である。
このムカデはどこから来たのだろうか。床下とかにふだんから棲息してるのだろうか。そもそも我が家の床下には虫にとって快適な空間が存在するのだろうか。もしもそうなら徹底的に駆除するしかない。
最近園芸の趣味に目覚めた妻は、庭にさまざまな花を植えているし、野菜も収穫してくる。母が設置していた防鳥ネットは撤去してしまったが、家庭菜園は完全に自分好みに模様替えしているようである。そして「お酢」のスプレーを防虫、殺虫用に使っているようである。それなら収穫した食品への害もないのだろう。しかし、土の中にはきっと虫がいるはずである。母はホームセンターでいろんな肥料を買って土作りから工夫していたが、妻が肥料を買っている様子はない。母が飼っていたメダカは今は妻がお世話していてさらに繁殖して増えている。その土の中にムカデがいたらどうするのだろうかとオレは思うのである。
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