2024年10月29日(火) |
『海に眠るダイヤモンド』はすごい! |
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TBS系のドラマ「日曜劇場」枠で、今『海に眠るダイヤモンド』というドラマが放映されている。選挙特番で一週休みだったが、次回は11月3日に放映予定である。もしもまだ観ていない方がいれば、TVerなどで視聴することをお勧めする。第一回を観たオレの印象は「どうやって軍艦島を再現したんだ?」という驚きだった。もちろん本当の軍艦島で撮影できるわけもないわけで、セットを組んでCGなんかも使ってるわけだが、それにしても再現度が半端ないのである。このドラマはほんまもんの「ダイヤモンド」であるとオレは確信した。
一番活気があった頃の軍艦島の日常をドラマは描いている。そこで暮らす市井の人々の日常を細部にわたってまで再現しているのだ。日本初だったという高層の団地での生活や、炭鉱で働く労務者たちの日常の仕事ぶりも描かれる。昭和の時代を再現しているだけではなくて、その中でも特に昭和らしかった軍艦島の生活のディティールを再現しているのである。もっともオレはその島の生活を直接知っているわけではないのでそこに再現されたものが100%正しいかどうかは判定できない。「きっとこんな雰囲気だったのだろう」という状況が描かれているのである。
高橋治の小説『別れてのちの恋歌』というのはかの名作である『風の盆恋歌』に連なる恋歌シリーズの三部作の一つであるが、その作品の中で登場人物が廃墟になった軍艦島に渡って逢瀬を遂げるシーンがある。最盛期には5000人を超える人が暮らしていて、小学校や映画館、分娩もできる病院もあったという。その島にルーツを持つ人たちは今どれくらいいるのだろうか。長崎からは軍艦島に上陸するツアーも開催されているが、かつての島民にとってそこに渡ることは特別な意味を持つはずである。
この軍艦島は韓国でも映画になっていて、そこでは奴隷労働に近い実態が存在したとされる。戦時中に国内の労働力が不足する中で朝鮮人や中国人捕虜が働いていたことは事実であり、彼らが日本人と同じ条件で働いていたとは思えない。事故が起きれば多くの死傷者が出るその状況下で起きていたことは想像に難くない。
軍艦島での生活の「光と陰」をどのようにこれからドラマが描いてくれるのか、オレは楽しみにしている。そして「来週が楽しみだなあ」という気分にさせてくれたこのドラマを制作して下さった方々には深く感謝するのである。
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