2024年07月23日(火) |
円安ドル高の終焉とNISA |
携帯用URL
| |
|
7月末に日銀が利上げを行うことはもはや既定路線のようである。そして9月にはFRBが利下げを発表する。日米金利差を理由に続いてきた円安ドル高の流れはここでトレンド転換する可能性が出てきた。そうなるとどんなことが起きるのだろうか。
日本ではNISAの資金で米国株中心に運用する投信が買われてきた。それは株高とドル高のおかげでかなりプラスになっているはずである。もしもここから円高が進むのならば、その分の株高が起きない限り額面は目減りすることになる。そうなるとNISA投資家たちはどうするのだろうか。
7月23日時点で1ドル=155円台のドル相場はこれから150円、140円と下がっていく可能性がある。そうなると米国株中心で運用している投信はかなり下げてしまうのである。NISA投資を始めたばかりの初心者は、資産がマイナスになるという状況に耐えきれずに手放すかも知れない。そうなると雪崩を打ったように株が売られるかも知れないのである。政府が「為替介入」という戦術を取ったことは最終的にそういう結果につながるのである。
日本経済がこれ以上好転しないという流れ自体はもう変えられない。日本にとってのプラス材料など市場には何もないからである。長期的にはやはり円安ドル高という流れは変えられず、これから1ドルは200円、300円ということになるのかも知れない。だったら我々は日本円以外のものに投資して財産を守るということになる。
政府の無策ゆえに滅び行くかつての経済大国で、「株を買う」ということもまたリスクなのだ。政府が推奨するNISA枠で買った銘柄はこれから暴落してしまうかも知れないのである。NISAというのは政府による壮大な「ハメ込み」(価値のない株を高値で投資家に買わせること)である可能性をオレは否定できないのである。
日銀の大規模な金融緩和から始まったアベノミクスというのは、金持ちの財産と企業の内部留保金を劇的に増やしたが、個人の平均所得は下がり、結果として国民を貧しくしたのである。貧富の差を大きく拡大しただけの政策だったのである。その失敗をどうして政治家たちは認めないかというと、自民党に投票するのは主に資産を増やした人たちであるからだ。自民党の議員は「自分たちは支持されている」と思ってるし、実際に富裕層は自民党を支持している。世間的には「富裕層」に分類される人の中で、れいわ新選組や共産党を支持する人などほとんどいない。そして本来なられいわ新選組や共産党を支持して投票するべき立場である多くの貧しい人たちは投票にすら行かない。貧民たちがみんな団結して自分たちの立場を代弁する政党に投票すればたちまち無血革命が実現するのだが、そんなことは起きない。その結果としておそらく日本はこのまま滅びていくだけである。
膨大な国債を発行することで通貨の流通量を増やした分を若者や貧乏人に回せば、日本は空前の好景気になって少子高齢化はたちまち解消されただろう。豊かになって結婚できる若者が増え、ベビーブームが起きたことは間違いない。今、日本の勤労世帯の多くは、生活に余裕がなくて子育てどころではないのである。夫婦が東京都内で子ども3人作りたいならば、共働きしなくても年収2000万円くらいもらえることが前提だ。2000万円といってもそのうち半分は税金と社会保険料で召し上げられる、だから生活はカツカツなのである。日本が高負担・低福祉国家となってしまったのは、そういう政策を実行し続ける自民党や公明党という政党に国民が投票し続けた結果である。日本国民は今の状況を招いたのが自分たちの愚かな投票行動であったということにいつになったら気付くのだろうか。
←1位を目指しています。
前の日記 後の日記