2024年05月23日(木) |
なぜ日本企業はダメなのか |
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国会で野党から企業団体献金の禁止について問われたとき、自民党の 政治資金規正法改正に向けた法整備を担当する、党の作業部会の座長を務めている鈴木馨祐衆院議員は「企業にも政治参加する権利がある」と放言した。つまり、これまで経団連の連中が行ってきた、自民党議員に献金して自分たちの法人税を負けてもらったり、税金を安くしてもらう代わりに必要な税は消費税増税で庶民からむしり取らせるという政治手法を100%肯定した発言だったのである。それは「政治参加」ではなく「政治の私物化」である。日本企業が世界の競争から取り残されてしまった理由はまさにそこなんだよなとオレは思ったのである。
シャープが大型液晶の生産から撤退するという。確かシャープはこの堺工場を作った時に大阪府から200億円の補助金と、土地の無償譲渡を受けたはずだ。そのお礼に当時の太田房江知事に賄賂として大型テレビをプレゼントした。それを太田房江は自分の知事室に置いていたが、指摘されてしぶしぶ職員の共有スペースに移動させたという経緯があった。
シャープは大阪府立高校のエアコン納入時にも談合を行って、かなりぼったくりの値段で大阪府の公金を支出させていた。オレは過去にその問題についてこの日記で問題提起したが、マスコミ全社はスルーだったから府民はそのことをほとんど知らない。
正当な競争ではなく、卑怯な方法で勝とうとすることが、自民党とのなれ合い政治の中で常態化し、それは日本企業の競争力を失わせた。世界のステージで日本企業が負けた理由はそこだとオレは思っている。ボンクラな経営者と、政治との癒着による利益の確保、この両輪が日本企業をどんどん衰退させたのである。
確かかつて導入された政党助成金は企業団体献金の禁止とセットだったはずである。しかし自民党はなし崩し的にそのルールを守らなくてもいい仕組みを作り、結果的に政治腐敗や金権政治をさらに推進した。それは同時に企業モラルも崩壊させた。ろくに税金を納めない悪い奴らが跳梁跋扈し、「脱税」という習慣は広く自民党議員にも広がった。「自民は脱税、国民は増税」という政治姿勢は岸田内閣の根幹をなすようになったのである。もっともそれでも自民党に投票し続ける大勢の馬鹿と、「そんなの関係ねえ」と投票にも行かない馬鹿が国民の多数派を占めているわけで、ダメなのは企業経営者だけではなく国民がダメなわけなんだが、オレのようなまともな人間は本当に少数派なのである。
日本企業がダメになったら何が起きるのか。日本が世界の下請け地となって、その安い労働力を求めて外資が進出してくる。すでに台湾企業は日本に進出している。また、かつての「からゆきさん」のように、日本女性は高収入を求めて海外に売春のために出稼ぎに行くようになるわけだ。この状況はすでに発生しているのである。
オレは一投資家としてその変化を理解しつつ、適切にゼニを運用して利益を出すだけである。日本がこのまま滅びることはオレには止められない。ただその責任が企業トップと政治家にあることは示しておきたい。そんなカスを選んできたのは日本国民だ。所詮政治家は国民のレベルと比例するしかないのである。
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