2023年03月22日(水) |
大谷翔平を見たということ |
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オレが今の時代を生きていてよかったと思うことは、大谷翔平という球界の常識を塗り替えたスーパースターと同時代に生きていると言うことだと思う。江夏豊が活躍した頃、オレはまだ小学生で野球が良くわかっていなかった。榎本喜八、中西太、スタルヒン、藤村富美男という人たちの現役時代をオレは視ていない。だからオレは自分のことをとても幸せな野球ファンだと思うのである。
考えたらイチローの全盛期もオレはリアルタイムで視ることができたわけだし、村神様こと、村上宗隆のすごさもリアルタイムで知ってるである。甲子園での松坂大輔も知っている。
WBCの試合中継は、なんとふだん野球を視ることがない87歳のオレの母まで視ていた。いつもは阪神の野球中継を視ているオレに向かって「勝ってるの?負けてるの?」と訊くだけだった母が、裏番組の韓流ドラマを録画しておいて、ミシンを操作しながら野球中継を視ているのである。
そればかりではない。アメリカとの試合が終わって世界一になったことが確定した瞬間に妻からLINEが入って「勝ったね」と来るのである。なんと日本中の人が関心を持ってるのだ。たかが野球である。おまえらそんなことよりも政治や選挙のことに関心を持ってくれよと思うのである。
「世界一」という結果に頭の悪い人はすぐに自分を重ねる。「日本スゲー」「大谷スゲー」「そんな日本に住んでるオレスゲー」「日本人スゲー」となるのだ。確かに大谷翔平はスゴいが、だからと言って日本人がスゴいわけでは無く、日本の政治なんて全然すごくないのである。もっともあんな茶番を延々と国会でやれてるあたり、もしかしたらすごいのかも知れないが。
人は生まれる時代を選べない。オレが阪神ファンになってからきちんと自分の目で確かめることができた阪神タイガースのリーグ優勝はわずか3回しかない。1985,2003、2005の3回である。死ぬまでにもう一度優勝してくれるのだろうか。それとも阪神ファンにとって有名なあの「阪神の優勝を3度見たモノは死ぬ」ということになるのだろうか。
野球という競技の素晴らしさは、かなりの部分が実力で決まる中で、最後の要素が「運」であることだ。どんなにすばらしい打球であっても野手の正面をついたら捕球されるし、どんなに悪いボテボテの当たりであっても、野手のいないところに転がればヒットになる。それが野球という競技の面白さなのだ。強いチームだからと言っても勝率10割ではない。弱小チームも一矢報いるチャンスが転がっている。
オレは野球を視るのが好きだ。ひいきチームでなくても面白い。だから高校野球も視るし、阪神ファンだがパリーグの試合もよく視る。オレの長男はかなりの野球オタクになってしまい、わざわざ福岡まで足を運んでソフトバンクの試合を視ていた。テレビを視ていてよく知らない選手が出てくるととりあえずLINEで長男に訊く。交流戦の時などはよくそうして阪神が対戦する相手の知らない選手のことを質問していた。
この世の中にはさまざまな娯楽が存在する。野球はそのうちの一つに過ぎない。今回のWBCを通じて知ったのは、世界の多くの国で野球が行われていて、チェコやイタリア、そしてオーストラリアといった国がちゃんと日本と対等に試合ができたということである。日本の野球人口は減っているらしいが、野球を愛する人が世界中に増えれば、いろんな国からの野球留学生を日本は迎えることになるかも知れない。戦争なんかをするのではなく、国と国がルールのあるスポーツで競い合えるのが平和な世の中の姿である。早くウクライナ戦争が終わって欲しいのである。
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