2022年11月01日(火) |
老人の逆走について |
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最近、高速道路での逆走事故が立て続けに起きている。若者の逆走というのは「自分が逆走をしている」という認識があるが、老人の場合は「自分が何をしてるかわからない」という状況で起きているから怖いのである。逆走事故に巻き込まれるのを防ぐには、高速道路では追い越し車線を走らずに走行車線をキープするというくらいしか思いつかない。それにしてもどうして逆走が起きるのだろうか、
以前、高速道路のSAでそれほど高齢ではない人から「どっちに出ればいいのですか」と訊かれたことがあった。すぐに指さして教えたが、そんなことは表示してあるからそれに従えばいいのである。表示してあることも見落とすような注意力でクルマを運転してるのならそれはそれで問題ではないのか。
自分が何をしているのかわからないような認知レベルでクルマを運転する人が居れば、それはそれで大問題である。オレの父は最期までボケなかったが、それでも80歳で運転をやめて自転車になった。運動神経がかなり衰えてるので、倒れそうな低速で走っていたらしいが、衰えゆく自分の体力に向き合いながら、四天王寺に出かけたり京都に出かけたりしてよく歩いていた。「今の自分は何ができて何ができない」ということを常に意識していたんだと思う。
現在の制度では70歳以上になると、免許更新の申請をする前に「高齢者講習」という講習を受けなければならないらしい。また、75歳以上の方は高齢者講習の他に「認知機能検査」の受検も必須となっている。さらに、2022年5月からは、75歳以上で一定の違反歴がある方は「運転技能検査」と呼ばれる実車試験が義務づけられた。
オレはまだまだその対象ではないけれども、いずれ自分にもそういう時が来るのだ。いつまで運転できるのかというのは運転好きのオレにとっては大切な問題だが、考えたら都市部に住む自分にとって、クルマは必要不可欠かというとそうでもない。ゼニはあるので旅先で公共交通機関が不便ならじゃんじゃんタクシーを使えばいい。電動アシスト自転車はものすごく楽ちんだと聞いているし、走りを楽しみたいのなら高価な電動クロスバイクを買えばいいのである。国産の安い電動クロスバイクを購入して、それを魔改造して乗り回す(もしかしたら法律違反かも知れない)という手段もある。
逆走自動車はある意味交通テロである。そういう迷惑なドライバーはきちんと取り締まらないといけないわけだが、事故で逆走車の老人ドライバーが亡くなることも多い。そのときに「だって事故は自己責任でしょ」と多くの人が思うだろう。そしてもしもぶつかられた被害者の側が死亡した際は、その理不尽さに多くの人が怒りを覚えるだろう。池袋の暴走老人、飯塚院長が起こした事故の際にそのひどい言い訳に多くの人が怒ったが、逆走や暴走を防ぐための工夫は絶対に必要である。
一番効果的なのは、クルマの側に「逆走防止機能」を組み込んでしまうことである。周囲の状況を車載カメラが読み取って、逆走と判断したときは大きな警告音とともに車両が自動停止するという仕組みを搭載し、70歳以上の人はそういう装備があるクルマしか買えないようにするとかである。そういうことになるきっと「購入補助」とかの話になるうだろうなと思う。自動車メーカーとしては、高齢者がどんどんクルマをぶっ壊してくれることはある意味望ましいことなのかも知れない。売れればそれでいいと思ってるのが業界の本音だろう。
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