2021年09月22日(水) |
消費税はどんどん上がる |
携帯用URL
| |
|
河野太郎が「社会保障費は全額消費税で」というむちゃくちゃなことを言い出した。今、消費税による税収は20兆円ほどだが、社会保障費は35兆円ほどで15兆円ほど足りなかったはずである。もしも河野太郎の考え通りにするならば消費税の税率を今の倍近くにしないと35兆円という税収は見込めないことになる。
税率を変更しないのならば、社会保障費の財源は20兆円しかない。その20兆円でやりくりして社会保障費を賄うことになればかなりさまざまな物が切り捨てられるだろうし、現行予算の35兆円を一気に20兆円まで減らすことは不可能に近い。そう考えるとやはり必要額まで消費税の税率UPが行われることになるとオレは思うのだ。
消費税率が20%となると、貯蓄もろくにできない年収200万円程度の貧困層はそのほとんどが消費支出に回るために40万円くらいの税を負担することとなる。国民年金の掛け金は年間で20万を超える。国保料も年間に20万円以上とられる。収入の40%がそうやって奪われるのだ。そんな状況でどうして豊かな生活が可能になるだろうか。
国がサラリーマンの副業を推奨するという。どうして副業をするかというと、本業だけでは収入が不足するからである。夫婦が共働きをしないといけなくなるのは、お互いが仕事が大好きだとか自己実現したいからという積極的な理由ばかりとは限らない。片方の稼ぎだけではやっていけないからということの方が圧倒的に多いのだ。それなのに「女性の社会進出を進める」などという表現でごまかそうとするのである。共働きの必要がなく、亭主が稼ぐゼニだけで生活できた江戸時代の方がある意味はるかに豊かだったのである。
日本では税の持つ再分配の機能が全く果たせてない。それは貧しい人ほど税負担率が高いからである。貧しい人たちから搾取したゼニは、政府のお友達企業に中抜きされ、政治家のフトコロに入り、アメリカから押し付けられた武器を言い値で買うことに使われるのだ。こんなひどいことがあるだろうか。日本での税の働きは、貧しい人をさらに貧しくして金持ちをさらに富ませているのである。
国が財政支出をしてもそれは基本的に金持ちにしか届かない。たとえばGo to トラベルという愚かな政策があったが、これは旅行できるような余裕のある金持ちにどんどん贅沢させる一方で、最初から旅行になんか行けない層には何の恩恵もなかった。
一番貧しい層にお金を配ればどうなるか。短期間でそのお金は次々と持ち主を変えて世の中を循環する。結果的に投入した金額の何倍もの経済効果を生み出すのである。しかし日銀がいくらETFを購入しても、株価上昇という恩恵は株式投資をしているごく一部の国民にしか回ってこない。投入した金額よりもはるかに小さな効果しか生み出さないのである。
政府御用達の学者たちはこのような経済効果については全く無視している。上級国民が金持ちになってもそのゼニは絶対に下層民には落ちてこないが、下層民が金を使うとそのゼニは最終的には上にかすめ取られる仕組みである。だったら上にゼニを配るのではなく、下に配ったゼニをぐるぐる回してから最終的に上が回収すればいいのである。今の仕組みでは上に直接配ってるだけで何の効果ももたらしていない。
介護に従事する人の報酬を上げること。保育や教育に携わる人の待遇をよくすること。飲食店で働く人たちの時給を上げるために政府が賃金補助を行うこと。こうしたことからまず始めるべきだ。残念ながら自民党政府にはそういう視点はない。実現する方法は政権交代しかないのである。
←1位を目指しています。
前の日記 後の日記